サイトアイコン 大庭可南太の「ゴルフをする機械」におれはなる!

ゴルフの本質(その1)

まだるっこしい「Search for the Perfect Swing」の翻訳作業もセクション2(第8章)まで完了しまして、ページ数で言うと全体240ページのうち61ページまで進行しました。

この本はそもそも全8セクション、35章からなる書物ですので、どこからどう見てもやっと1/4ですね。ここまで半年以上かかってますのでこのペースでいくと後一年半もかかるのかーと思いつつ、他の執筆系も増えてきましたのでなかなかペースアップは難しそうです。

 

ただ一つだけ不思議な事がありまして、このSPSはゴルフの技術面における実用性はあんまりない書物だと思っていたのですが、なぜかこの翻訳を始めるようになってからゴルフのスコアがすこぶる良いのですね。ちなみにTGMは読むたびにスコア悪くなるんですが。たまたま私の上達のバイオリズム的なものと重なっただけという考え方も出来るんですが、TGMからSPSヘの作業の中で、なんとなく自分の中で「ゴルフの本質」みたいなものが見えてきた(出来てはいない)ような気がいたしまして、そこから少し自分のゴルフが単純化されたように思うのです。

 

で、TGMとSPSの共通点、あるいはSPSがここまで何を言わんとしているのか、などから、欧米人的なゴルフというゲームへの考え方みたいなものと日本のレッスン書的なものへの批判まで、今アタマの中にちらかっているものを文章化してみようかと思います。要するに例によって備忘録ですね!

 

いきなり本題:ゴルフの本質

実は最近購入した本で、ニック・ブラッドレー著の「Kinetic Golf」という本があります。

Kinetic Golf: Picture the Game Like Never Before (English Edition)

 

表紙だけでお分かりの通り、これ「7Laws of Golf Swing」と同じ著者の本で、後者がゴルフの原則的なアライメントをビジュアルイメージで表現したのに対して、この本ではより実際のプレイにおいて有用なイメージ群をこれまた美しいビジュアルで表現しています。例えばこんなのです。

これフェアウェイバンカーからのショットのイメージなんですが、要するにボールの下にT-REXのタマゴが埋まってると思って、そのタマゴを割ったら大変なことになるからものすごく薄く打たないとヤバいよってことで、これが実際のショットに良い影響するのかどうかは微妙なんですが。。。これは本題とは関係ないです。

で、「ああ、やっぱりな」と思うのはこの表現です。

これフェードを打つイメージなんですが、自転車のスポークにみたいになってるのがプレーンラインで、オープンなプレーンとボールのフェード具合を事前にしっかりイメージするという話なんですが、この図ってSPSの

この写真とか

この写真と同じですよね。

SPSではここまでの61ページを使ってほとんどこの「ハブ」のイメージの重要性だけを延々述べているわけです。で、これはTGMではより詳細なイメージとして

この図になるわけです。つまりこの三者に共通している考え方は

要は斜めになった自転車の車輪みたいのがターゲット方向に向いた平面上で回転するようにクラブ振ればまっすぐ飛ぶんじゃね?

ということが出発点になっているわけです。欧米人は基本的にこの身体の中心から生えてる自転車の車輪みたいのをデフォでイメージしているのではないかと。

そしてこの構造物は二次元で見れば究極的にはこういう図になります。

大事なことは「まっすぐ」です。つまり目標方向にボールを飛ばすにはどうすれば良いかということです。

そのために重要なこととして、TGMでは回転物の中心が定まっていること(ステイショナリーヘッド)、さらにその構造物全体にぐらつきがないこと(バランス)、回転が安定していること(リズム)がまず必要であるとしています。

 

で最近ゴルフの調子がいいのは、とにかくこのイメージを持てるようになってきたからなのですね。

こういう風にスイング出来るということは、上下のブレが起きないのでだいたいボールに当たりますし、当初作ったアドレス(その通りに振れば目標方向に飛ぶ)とインパクトのイメージに集中してスイングするだけで、後は知ったこっちゃないみたいな感じでクラブというよりも両腕のヒジをスイングするような感じでいくと、そんなに悪い結果にはならないわけです。というかまずOBまで曲がることはあり得ないです。

 

もちろんそうなるためには、フラットレフトリストを始めとした「手の教育」が出来ていることは必要だと思います。フラットレフトリストとエクステンサーアクションとフライングウェッジとオンプレーンなラグローディングは全部密接に関係してますので、どれか一個がヘボいと全体にその脆弱性が波及するので一度に同時に覚えるしかない気がしてるんですが、それはこの後の記事で書きます。

 

何が言いたいかというと、上記の概念で上達を考えるならばまずは

1. 下半身、ボディが悪影響を与えないようにする(安定だけを意識する)

2. クラブや腕を望ましいプレーンでスイング出来るようにする

3. フェースが望ましい方向を維持出来るようにする

という訓練が必要で、結局TGMに書いてあるとおりまずはパターで、そして次にアプローチでという練習が必要になると思うのです。

その上で、車輪の回転を速くパワフルなものにして行くというプロセスになると思います。ここから下半身やボディの使い方に意識を向けていくというのならばわかります。

 

でもね、真っ直ぐ飛ばない人が、OB連発の人が、というかそもそも当たらない人が

「手はなにもしねーよ!ボディだボディ!」

「やっぱ地面反力だよな!」

「マシューウルフのスーパーシャローイングだよな!」

とかイキっても、上達するわけねーだろアホかと思うわけです。

 

もちろんこうしたパワー系の話題の方がコンテンツとしての注目度が高いことはわかります。ただいい加減この「これをするだけで飛距離が20y伸びます」的なマーケティングに見切りをつける消費者の姿勢というのも今後大切になってくると思うのですね。

 

私はライザップのマーケティングがある意味革新的だと思うのは、ライザップでは「トレーニングと適切な食事制限で健康的な減量を達成する」というある意味当たり前のことを主張してそれがマーケティングとして成功しているように見えるからです。ただこの適切な主張は適切過ぎて、実はライザップに行かなくても「毎日10km散歩してストレッチして暴飲暴食しなければ健康的な体型になれる」ことに消費者が気づいてしまう時期が来ます。

でも一昔前の「これを飲めばどれだけ暴飲暴食してもどんどん痩せる」的な、早い話が嘘っぱちのマーケティングからは大きく前進したと思うのです。減りましたよそういう広告。

 

なので現時点でわかっている「手の教育」について次回考察しようと思います。

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