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第四章 スイングのハブ(その3)

 やっと経理作業が終わりましたが全米プロが始まってそして女子ゴルフも見ないとないんですが来週がラウンドが二回あるので練習もしないとで、そして来週のステップ「ツインフィールズレディス」では我らが森美穂プロが参戦します。スカイAで生中継なのでいっぱいテレビ映るように頑張って欲しいです。

(C)ALBA  毎度のことですが写真と本文の内容には何ら関係がありません。

 

ではSPSの本文の続きです。

 

プレーンを保持し続けることの難しさ

 これまでにも言及したとおり、ゴルフスイングは巨大な車輪のように固定されたスポークのようにはいかないものの、ハブが適切な角度で回転している限り車輪全体もそれに追従すると言うことにはなる。一方で、ゴルフスイングにおいて可動するパーツ群は実際のところ容易にそのラインから外れていく事があることは周知の事実である。

 

 あらゆるゴルフスイングを、あるいは諸君自身のスイングを、モデルにフィットさせる上である本質的に重要な事柄を挙げるとすれば、プレイヤー個々に異なる個性や身体的特徴を考慮した上で、どのようなプレーンで全ての動作を行う事が最も再現性が高いと言えるのかを知ることである。ここでハブが第一義に重要であると決定づけることは出来ないにしても、少なくとも候補のリストには残り続ける。スイング全体はプレーンによって狙いを付けられた状態の中に留まり続け、それはボールの打撃までは続く。

 

 単に両手をプレーンの中でスイングするということを強く考え続けるだけではこの問題を確実に解決するのには不十分かもしれない。スイングには一つないし二つの特定のポイントが存在し、とりわけそれらはシステム全体の動作が遅い時点、つまりそのためにプレーンにシステムを保持するための充分な慣性が発生していないために、スイングにおいて容易に各部品がアライメントから外れてしまう可能性があるポイントに存在していると考えられる。

 

 もっとも明らかなこのポイントは、バックスイングにおけるごく初動の動作、一般に「テークアウェイ」と呼ばれる過程である。ストロークにおける全てのスイングアクションを、メンタルにおけるハブの旋回軌道に配置して狙いを付けたとしても、プレイヤーには依然としてそれらスイングのアクションをアライメントを保持したまま始動させるという難題が立ちはだかるのであり、練習の中でそれらがプレーンから逸脱してしまうことが容易に起こりうることを知る。しかしこのことを必要以上に悲観する必要がないのは、バックスイングには、そのスイングに致命的な崩壊を起こさせないレベルで、その多様性にかなりの許容範囲があるからである。実際に、上級者の中でもトップオブスイングにおいて「ループ」が発生しているプレイヤーは多数存在するが、これは言い方を変えればバックスイングのプレーンとダウンスイングのプレーンが異なっているということになる。同様に、クラブヘッドの始動をプレーンの内側に向けて行っていると指摘されるプレイヤーも多数存在するが、その方法が彼らにとっては物理的にもメンタル的にもアライメントが保持されていると感じられるものなのである。

 

 

 そのアドレスにおいて狙いを付けたはずのアライメントからの逸脱が発生するもう一つの大きなポイントはダウンスイングの初動の動作である。これがより深刻な問題であるのは、これ以降ボールを打撃するまで、正しいアライメントにスイングを復旧させる機会がないからである。

 

 バックスイングにおけるクラブヘッドの慣性は、クラブヘッドを始動の時点で向いていたターゲット方向のプレーンよりも後方に持ち出してしまう傾向がある。だからと言って極端にゆっくりと挙げてトップで停止するような方法を行えば、プレイヤーはダウンスイングに向けてクラブヘッドを再加速させなければならず、その際に発生するわずかな慣性によってクラブヘッドはまた別の軌道に送り込まれてしまうことが容易に発生する。

 

 このステージにおいて、当初想定したアライメントからスイングアクションが逸脱してしまう最も一般的なエラーは、フォワードスイングの初動で右肩が上方、および外側に旋回し、その時点でクラブヘッドがまだ加速されていない状態で発生する。このような慣性を作り出すことで、プレイヤーはハブをアライメントの外に持ち出してしまい、クラブヘッドを本来想定していたプレーンよりも外側に持ち出してしまうのである。そしてそこからボールを打撃するために、本来のプレーンを横切る形でアウト-インの軌道でインパクトを迎えることとなる。この場合インパクト時のフェースの向きによるが、プルショット(左に真っ直ぐ飛ぶ)もしくはスライス、もしくはその両方を発生させる。(19章および20章を参照のこと。)

 

 伝統的なレッスンである「左肩をターゲット方向に置き続けろ」、「右肩を正面ではなく下方に旋回させろ」、あるいは「左のカベを打ち抜け」といったものは、多かれ少なかれモデルスイングにおけるハブのアライメントをフォワードスイングの初動、あるいは全般にわたって保持し続ける事の必要性を説いていると思われる。

 

 日本では「右肩を下げるな」という指導が結構目に付くのですが、TGMでも右肩はダウンスイングでプレーンに送り込む動作が初期に行われ、次いで右肘が、次いでシャフトがプレーンに追従してクラブがインクラインドプレーンに到達すると言ってますので、おそらく問題は「右肩が前に出てくること」なのだと思います。そしてそれが起きる本質的な問題は右の腰骨がダウン初期で前方にせり出てきて「両手の通り道」を潰してしまうからです。おそらくボディターンとかいうクソレッスン用語の弊害です。「右のケツはプロは出てこないよ」という動画(英語)をおつけしておきます。

youtu.be

 

 理解しておくべき非常に重要なことは、ひとたびスイングが適切な方法で始動されれば、スイングはそのセットされたプレーンに向けて追従する可能性が高いということである。もしゴルファーがターゲットに対して間違ったプレーンでスイングを始動したならば、インパクトの時点までそのプレーンにとどまり続けるということが少なくとも自然の摂理なのであり、スウェイを引き起こす、あるいはインパクトにおけるクラブフェースのアライメントが狂うといった結果をもたらすのである。

 

モデルの動作を人間が行うということ

 我々が2レバーモデルのスイングを再現する人間のゴルファーの方法を詳しく観察するほど、我々は複雑性にはまり込んでいくことになる。

 

 ゴルファーはモデルの様には出来ていない。もし出来ていたならば、彼のゴルフは計り知れないほど簡単なものになっただろう。しかしゴルフ以外の生活を、現状よりも計り知れないほど難しくするだろう。よって人体の構造は適した動作にフィットさせることでその万能性を保持している。あきらかな限界があるとはいえ、人類はあらゆる動作や活動を必要とするものにフィットさせる事が出来る。これは骨、関節、筋肉、またその結合や連鎖といった複雑なシステムの活用によって成り立っている。

 

 人がゴルフをするということについても例外ではない。上級者のゴルファーが2レバーのモデルの動作を本能的に取り入れていることは、ゴルフにおける最も機械的に有効な手段と言える。本人が意識しているかどうかにかかわらず、彼は彼のスイング動作を、完全にモデルの働きを再現するように形づくられている。しかしそこで彼が出来る事は、彼の全ての肋骨、筋肉、および関節が特定のタスクを達成するために可能な、自然なはたらきを活用することである。

 

 ゴルフにおいて、全てのマインドをクリアにして、全く複雑性のない、基本的でシンプルな動作のイメージを持つ為のこのような姿勢は、複雑である肋骨、筋肉や関節の動作を制御することに多大な貢献をしている。我々はここで、ハブを中心として、スイング全体がその周りを旋回して機能しているというイメージを持つことは非常に有用なものであると考えている。ゴルファーが、ピボットの中心を両手の旋回起動やプレーンを固定していると考える、あるいは両肩の間のどこかに存在するはぶから、スイング全体を制御出来るというイメージを持つことは、クラブをモデルのパターンに沿ってスイングをすることを最大限可能にすると考えている。

 

 以降の章では、ゴルファーが実際にどのようにしてこうしたことを行っているのか、またどのようにして自身のスイングを可能な限りシンプルな方法でモデルにフィットさせようとしているのかを分析していく。

 

 あいかわらずまだるっこしさが満載でいつになったら面白くなるのか不安な書物ですが、終始難解で脳みそが疲れる本(TGM)に比べると翻訳はラクです。とは言えそんなに何年も付き合いたくないのでちょっとペースアップしていこうと思います。

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