サイトアイコン 大庭可南太の「ゴルフをする機械」におれはなる!

はじめに - Search for the Perfect Swing -

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さて、引き続きSPSのPreface(序文)をやっていきますが。

現在日本の特に女子プロはシーズンオフということで、皆さんスポンサー周りしたり合宿してトレーニングしたり海外(南国)の試合出たりと皆様それぞれでございまして、そんななかこのブログでも再三ご登場いただいている(まぁ勝手に掲載させていただいてるだけ)松田鈴英選手のインスタではGEARSでのスイング確認

また河本結選手も修善寺合宿で

という具合に「GEARS」を使用したセッションが拡がりつつあります。良い具合に「科学手なゴルフ」というものが進展しつつあります。ちなみに我々一般ゴルファーでも

PCMにお願いすればフィッティングつきで「GEARS」体験できます。

ではSPSで「科学的なゴルフ」のお勉強をしていきたいと思います。

科学者としての視点

科学者達の関与によって、プログラム全体は一般的な研究プロジェクトと同様の科学的志向および探求心を有している。それらは(他の工業分野の活動と同じく)人工的に作り出された人類の活動のゲームに関するものであり、またその全体的なパフォーマンスにおける成功度は、スコアという極めて精密な結果で評価が可能である。

ゲームの限界という範囲において、そこで発生している科学的な諸問題というものは非常に解決が困難なものである。それらが解決されるのは極めて効率的な手法によってのみであり、加えて様々な異なる分野、特別な手法、志向、技術を駆使する科学者達の間における協業によってのみ可能であった。

G.S.E.B.の直接的な要望を伴わず、多数の多忙を極める科学者達が補プログラムの研究のための時間を確保することが出来たのは、彼らが所属する大学や研究機関による貢献のたまものであり、それはひとえにプログラム全体が純粋に科学的な意義を持つものであるとの認識を得たおかげである。

多くのゴルファーにとって実用的かつ明確な結果を、できる限り早く、また妥当なものにしたいという欲求は、すなわちこれまで多くの原則的な諸問題への解決方法が未だ明らかにされてこなかったことを意味する。しかし、今回多数の複雑な技術の関与によって明らかになった重大な一つの結果は、既に我々がかなりのことを知っていると思われる分野においてすら、精密に分析されることが困難なほど複雑である、人体の機械的な作用の側面を驚くほど多く存在するということである。これに対し、科学者チームは人体の作用ついての非常に多数の発見を行ったのであり、とりわけそれは様々な機器を使用したことで人類の一般的と思われる諸活動について非常に詳細な考察を行う事が可能になったのである。

このプログラムが完全に終了したわけではない。しかしG.S.G.B.としては、純粋に科学的なボリュームで、プロフェッショナルな視点からの技術的な結論を、他の世界中の科学者に出版物として提示出来る見込みが成立した時点をもって一度は終了を宣言しなければならない。

よって本書はその広がりに対しては、世界中のゴルファーへの様々な結論の陳述であると同時に、科学的には中間報告であると言える。

本書のような書物の制限

これに関しては二つの注意が必要である。

一つ目は、本研究は不完全なものであるがゆえに、本チームあるいは他者によるさらなる研究の余地があると言うことであり、それによって本書に提示されているアイデアに新たな側面を投げかける事実が発見されるかも知れないということである。

どのような場合にせよ、科学的な研究というものは全ての側面において100%の確証を「証明」するものではない。現実に起きていることに沿った説明を欲し、その時点でそうした説明に行き着いたとして、またそれが目下の現実的な活用において非常に有用であったとしても、それはその時点、あるいは実験における権威をもたらすのみである。諸問題に対するさらなる発見や評価を行うことによって、今日のベストな回答は、明日の間違った物になるということはあり得る。

しかしこれは不確実性を過大に強調している可能性もある。科学的な理論は、既にある理論を完全に否定することによりも、その仮説における確実性を少しでも促進するための小さな一歩一歩の積み重ねによってより発展してきたからだ。一方で、アルキメデスの浴槽における発見のように、ほぼ永久にその正当性が存続している理論も存在しており、少なくとも本書において提示されていることが今後の度重なる検証に耐えうる物であることを我々は真摯に期待している。しかしいずれのゴルファーであっても、本書に書かれていることによって本人のゴルフが改善されうると感じるのであれば、それもまた科学の自然の摂理であり、当人のさらなる進歩を祈るのみである。

第二に、本書は出来るだけ多くのゴルファーにとって興味を持ってもらうという目的のもと、本書において結論づけられている事柄においてある程度の単純化が必要であったということである。本書は科学的な研究結果をベースにしているが、ある一つの研究結果だけでもいくつかのキャビネットファイルを必要とするものもあり、それらを全て提示することがなじみのない人々にとって理解のしやすい物になるとは考えられなかった。よって本書において本質的な意味を持つ結論に焦点を当てる過程で、真に科学的な妥当性を追求するということと、科学者ではない読者にとっての簡潔性や理解を求めるという二つの方向性における妥協が必要であった。

我々はその点で本書においてギリギリのバランスを保ったと信じている。しかしもし読者諸君が本書においてあまりにも技術的過ぎると感じたならば、科学者達が膨大な研究をより簡潔な内容にまとめる際、読者の理解を促進する上での重要な注意点を詳細に説明しようとしたことの努力の結果としてどうか容赦をして欲しい。

本書がゴルファーをどのように助けることを望んでいるか

本書ではG.S.G.B.の科学者チームの研究結果を正確に表現しているが、そのことが熱心なゴルファーにとってどのように役に立つのかということである。

より良いゲームをするということは、我々の楽しみの一部でしかない。ゴルフを愛する者になるということは、もっと沢山の喜びに支えられている。ゲームに対する理解が拡がるほど、クラフトマンの技巧や、自分の正確や心理にも興味が拡がることだろうし、そうした興味を他のゴルファー達と共有することによってもゴルファーとしての楽しみは増えることだろう。本書が読者諸君のより良いゴルフのために役に立つかどうかに関わらず、我々は読者諸君の一般的なゲームに楽しみが増えることを期待している。

しかしもちろん、ハンディキャップを減らそうとしている全ての読者にとっての実質的な援助となることや、ゴルフボールを打つということについてより多くの喜びと満足を得られるようにすることを期待している。

全ての読者に対して、本書はゴルフの基本についての一貫した理解を提供している。それによって多少なりとも9番アイアンを上手く打てるようになる可能性はある。しかし我々が本書において提唱していることは、ゴルファーがざっと目を通しただけで、そして次に新しい本を読むまでに忘れてしまうような一連の議論ではない。我々が本書において目指したことは、後に科学的な反証がなされるまで、あるいはおそらくより高次なものに発展するまで、ゴルフがどのようにプレイされるべきかについての基本的な機械的、解剖学的、生理学的、心理学的な原則群の陳述である。

それらは全ての読者のスイングに対して、そのスイングがゴルフというゲームの一部である限り応用が可能なものである。それらを全面的に、あるいは部分的に活用するかはそのゴルファー次第である。少なくとも、クラブの扱いにどのような個人的な癖を持っているかに関わらず、ゴルファーにとって彼のスイングで発生している作用を理解することの助けにはなるはずだ。

このことは、そのゴルファーのスイングで何が間違った作用を起こしているのか、またそのゴルファーがその行為を続けたいと感じているとしても(そして人生における習慣をにわかに変更することが難しいとしても)、そうしたことを理解することを含め、多くの点で役に立つはずだ。また鋭敏なゴルファーにとっては、彼自身で本書から得たものを活用するだけではなく、彼の指導者であるプロフェッショナルから受けるアドバイスをより明確に理解することに役立てることも可能なはずだ。おそらくさらに重要なことは、そのゴルファーがどんな種類のトラブルについて指導者のプロに助けてもらいたいのか、またそれに対してどのような質問をプロに投げかければ良いのかということをより明確に理解することの助けになるということである。つまり、プレイヤーとプロの間の双方向の理解を促進するのである。

知識として活用される、ゴルフスイングのより包括的な理解は、その存在を認識することには役立つだろう。例えばなぜプロ達は「頭を動かさないで」「左腕は真っ直ぐに」「グリップを強く握りすぎないように」といったことを言うのか、それが実際のところどの程度重要であるのか、そしてそれらがスイングにおける人体のメカニクスにおいてどのように作用しているのか、本書ではそうした古今東西のゴルフの「格言」についても多数の検証を行い、それらの大半はやはり「意味のある事」であることも証明している。

もちろん常に危険は存在する。すなわち、ベイブ・ザハリアス(訳者注:アメリカの1930年代から50年代に活躍した女性アスリート)の金言を借りれば「ゲームのメカニクスにこだわりすぎることは全てを台無しにする」というものだ。しかしそれは常にプレイヤー自身の問題であり、少なくとも本書では極めて信頼性の高い「台無しにするもの」の情報をも提供している。

アマチュアでもプロフェッショナルであっても、上級者のプレイヤーにとって本書は、本人が既に経験や直感によっって認知をしてはいるが未だに本人にとって最も簡潔な状態では理解されていないような沢山の事柄について、メカニクスの観点から整理を行う事の助けになると考えている。

実際のところ上級者にとっては、本人の主観的な経験や独自の理論を裏付ける多くの要素を本書で発見できるはずである。また理論における非常に細かい部分の新たな理解に、あるいはアスリートがその天賦の才能を長年の努力によって開花させる際のささいなきっかけになる転換点としても機能し、完璧性に限りなく近づく事への助けとなるはずだ。

あるいはその本人は当初、本書にて指摘されている事項について、強い違和感を覚えるものがあるかも知れない。しかしそのような疑問はその本人の思考、分析、実験やテストを促進するものであり、これらは何がゴルフにおいてベストであるかではなく、何がその本人にとっててベストであるのかを見極めようとするトップクラスのプレイヤーにとって必須の道なのである。

ティーチングプルロフェッショナルに対しては、我々は本書がその人の独自の方法、あるいは独自のティーチングを使用していくことに絶大な効果が提供できることを期待している。科学を学ぶことあるいはそれを推奨することは、ゴルフの指導における人類の経験をなんら代替するものではない。しかしもし経験豊かな指導者によって、本書に書かれていることが実際に実験され、理解され、どのように練習方法として活用する事が最適であるか彼自身の経験によって満足できるものとなったとき、それは彼の指導をこれまでよりもはるかに効率的にする武器を装備したことと同じである。またそれはおそらく、彼の生徒に正しい方向の知性の習得や、トレーニングにおける質問力の向上といった効果も促進するはずである。

多くのプロゴルファーにとってありがちな残念な経験は、彼もしくは彼女がビジネスもしくはキャリアにおいて大きな成功をおさめた場合、そのプロはしばしば本来告げようとしていることを考えることに対して潜在的に消極的になるということで、その代わりに彼らが行ってきた本来は複雑である様々なトレーニング、理論、経験を、極めて単純な「教義」のようなもので表現しようとするのである。本書はそのようなプロが何をまさに行ってきたのか、話を拡げることも詳細化することもなく、ページのどこかに求める文言を見つけられると言う点でも役に立つだろう。

我々は本書を、ゴルフ界の読者が真にシンプルに納得できて、かつ科学者に対しても論理的であるよう注意して構成を行った。関わった全ての人々を代表して、読者諸君が本書を真に楽しみ、興味を拡げていただけることを祈っている。
本書のある部分を見て、ゴルフのゲームの向上のためと言っても気が遠くなると感じた場合はいつでも二十数年前のゴルファーであり、作家でもあるステファン・ポッターのアドバイスにしたがって欲しい「切り取って、誰かに見てもらえ!」。

とまぁこのように序文から既にまだるっこしいこと半端ないんですけど

要するに「1960年代最高の科学者、ゴルファー、装置を使ってゴルフを初めて科学的に分析したよー」ってことでいいと思います。

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