サイトアイコン 大庭可南太の「ゴルフをする機械」におれはなる!

欧米の「基本概念」(仮説)

「みんなのゴルフダイジェスト」様に取材をしていただきました。

物理的に理にかなったスウィングを追求する“ゴルフの科学者”ブライソン・デシャンボー。彼のスウィングは「ゴルフィングマシーン」という本を参考にしていることは知る人ぞ知る話だが、その原本は超難解といわれ、読むだけで一苦労なのも一部では知られた話。その本に感銘を受け、勝手に和訳し、さらには自費出版にまで漕ぎ着けたという一人のアマチュアゴルファーを取材した。
「人間は『ゴルフをする機械』になることができるか?」超難解な名著・ゴルフィン... - 

昨日の午前からPCMの新大塚ラボで取材をしていただいて、その日のうちに記事になってしまうのですからネットメディアのスピードってすごいんだなと改めて感じました。でもってスマホなど触っておりますと

こんな感じでご紹介をいただきまして、すぐそばにマイケル・ジェイコブスとブライアン・マンゼッラ(TGMのDr.資格保有者)が主導している「Jacob 3D」の記事があるのも興味深いのですが、なんとなくゴルフの「物理的」「科学的」視点というものが拡がりつつあるのを感じます。解析機器は今後進化することはあっても退化していくことはあり得ませんので、それらをどのように活用すれば効果が出るのかという研究をこれからも地道に続けていこうと思います。

さて今回の記事は、カテゴリーでは「GEARS解析・動画」にしてみたのですが、今回の記事にGEARS画面は出てきません。これまでの記事で、

(1) ダウンで右ヒップがボール方向に向かうことなく、両手の通り道を確保している。

(2) それができると右肩が切り返しからボール方向に向かう動きをおさえて、背中側にキープ出来る時間が長くなる。

(3) かつその間インパクトの直前まで上半身と下半身の重心はほぼ垂直に見て一致した状態になっている。

ことを紹介しました。数ある「Athletic Motion Golf」の動画の中でなぜこの三つを紹介したかというと、もちろん再生回数、つまり動画としての評価が高いということもあるのですが、実はこれらの動画には非常に本質的な側面が隠れていると感じるからです。普通のアマチュアには上記の(1)〜(3)を予備知識なく達成することってほぼ不可能だと思うのですね。ではなぜ上級者はみんな出来ているのかを考えると、師事したコーチから知識として授けられたという可能性もありますが、プロとアマチュアでは根本的にゴルフストロークに対する概念が異なっている可能性があると思うのですね。

アマチュアの概念(想像)

ゴルフストロークの目的が何かと言われれば、おそらく「狙ったところにボールを運ぶ」ということになります。

そのために「なぜかシャフトとズレたところの先端におもりのついた」「ゴルフクラブというものの反対側の先端付近を握って」「そのおもりを振り回して」「地面に置いてあるボールを」「おもりについたフェースでひっぱたく」事が必要になると思われます。

突き詰めれば、「うまいことボールにクラブのフェースをぶつけたい」ということになりますが、そもそもゴルフのクラブって変な道具ですし、何も考えずに振り回してもなかなかクリーンにヒット出来ないという恐怖心があるので、「なんかムズいよなゴルフって」となって様々な動画とかレッスン本読んであーでもないこーでもないという状態になるわけです。

プロ(上級者)の概念

で、もしかするとなんですが、上記のアマチュアの目標設定がどこかで間違っているかも知れないということなんですね。上級者の概念ってもしかするともっとシンプルで、要するに

TGM的にはこう

Search for the Perfect Swing的にはこう

ニック・ブラッドレー的にはこう

つまりこの自転車の車輪みたいのを、どうすればパワフルに正確にぶん回せるせるのかを目標にしているのではないかと。そしてプレーヤーのイメージとしては

ジャック・ニクラウス的にはこう

そしてマキロイのインスタ的にはこう

ついでにJacob 3D的にはこう

要するにSearch for the Perfect Swingで病的にしつこく言っている「スイングのハブ」というものですね。

「スイングのハブ」の正体

Jacob 3Dの図で言うところの、水色の線の軌道が「スイングのハブ」っぽいと思います。確かに一つの考え方としては、両手の軌道ということになるのかもしれませんが、それで間違っていないと思うのですけど、「両手」というのはわりと自由に動かせてしまうので、力強さと正確性を必要とした場合、意識としてはちょっとどうなのかなと。

またデシャンボーの場合を除き、このプレーンとショルダーターンのプレーンは同一になりません。

というわけでおそらく左腕のプレーンという意識で大丈夫なのではないかと思います。

左腕を振るという概念

もっかいマキロイですけど

こんな風に左腕を振ろうと考えると、タチが悪いのは左腕というのは左肩から生えてますので、左肩を思い切りショルダーターンさせることで振れそうな気がするのですが、そうなると左肩が開きすぎて結果としてはハブ自体が左に傾いてしまいます。なので右サイドを反対方向に動かすカウンターバランスを入れて、ハブの軸を安定させることが必要になると思います。テニスの片手バックハンドで、ラケット持ってない方の手を飛球方向と反対側に振ってバランス取るのと同じだと思います。両手で振るんで難しいのですが。

下半身は大事だが...

これまでも感じていたことですが、日本人は下半身が大好きです。腰を落とせ、腰で振れ、腰を切れとかなんでもいいのですが、確かの運動の順番としては下半身から動き出していますし、下半身で作られたパワーが転換されて飛距離に結びつくことも事実だと思うのですが、それは「手段」であって「目的化」してはならないものだと思います。

「ハブを力強く正確にぶん回すには」を目的化すれば

・ハブの回転に干渉するように右ヒップをボール方向に突き出す事はあり得ないですし

・右肩をボール方向にターンさせて軸を曲げることもあり得ないですし

・アタマを後方に動かしてから前方に振り出すことも合理的ではないことに気づきます。

その目的を達成するためであれば、いくら地面蹴ろうがジャンプしようがドンドンやればいいと思うのですが、あくまで目的は「ハブ」なのではないかというのがGEARS動画を見ていて思ったことでございます。こんど欧米人のプロに会うことがあったらに聞いてみようと思います。

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