このサイトについて(2019年10月)

このサイトにご訪問をいただいた皆様へ

本サイトは2016年9月にはてなブログにて開設した、「ザ・ゴルフィングマシーンを勝手に解釈していくよ」というブログを、WordPress移転に伴ってサイト化したものです。

当初は「The Golfing Machine(以下TGM)」というゴルフの英文難読本を翻訳、解釈していくものでしたが、2018年3月時点でいちおう全文の翻訳が完了しています。そして2018年12月にはその日本語版として「ゴルフをする機械」という紙本として出版の至りとなりました。

その後TGMとは直接関係のない話題や、他の本の翻訳も増えてきましたのでサイトリニューアルをいたしました。

The Golfing Machineってどんな本なの?

「The Golfing Machine(以下TGM)」は1969年にアメリカで出版されたゴルフのスイング理論の本になります。とは言っても、「これがボディターンだ」というようないわゆるメソッド本ではなく、ゴルフのストロークを構成する要素(コンポーネント)を24個に分類し、それぞれにバリエーションがあるために組み合わせの結果としてはほぼ無数のストロークの「型」があるという考え方をしています。

アメリカのコーチングメソッドのほぼ源流であり、スタックアンドチルト打法の元になっていたり、アニカ・ソレンスタムとそのコーチであるピア・ニールソンもTGMに影響を受けたと言われています(ソースは英語版のウィキペディア)。

最近ではブライソン・デシャンボーという選手がこの本に書かれていることを元に(というかほぼ逆手にとって)自身のストロークを構築しています。

昨今のTGMの米国での位置づけについては「TGMの現状」などのカテゴリーをご参照ください。

代表的なバリエーションの例では「スインガーとヒッター」という分類がありますが、これはストロークの主たるエネルギーをどのように発生させるかの違いで分類をしています。検索でこのブログにたどり着いた方はこのワードで来られた方が多いようです。詳しい違いは以下の「スインガーとヒッターの違いに関してさくっと知りたい」方はこちらの記事、

より詳しく情報を集めたい方はこのカテゴリー全体をご参照ください。

 

とは言っても、スインガーヒッター論はTGMの内容の(重要ではありますが)一部分でしかありません。TGMはどういう本なのかと言われて最近している説明は

「誰にでも出来るぶり大根の作り方 - これが料亭の味」という本があるとすると、これはメソッド本ということになります。「これがボディターンだ」とか、「○○打法」はこれにあたるかと思います。

それに対してTGMは「和食大全 - 主要な素材と技法の全て」みたいな本になります。

例えば外人が日本でぶり大根を食べて「Oh! トテモウマイYoooo!」と思って自分でこれを作りたいと思ってぶり大根の本を買ったとしても、そもそも醤油もみりんも基本的な煮る焼く蒸すとかの技法も一切知らないでぶり大根だけを完璧に作ることはかなり難しいと思われます。

つまり体系的に「ゴルフの基本とは何か」ということを知りたい、あるいは様々なメソッドにおいて「こうしろ」と言われていることが「なんで」なのかを知りたいという面倒くさい人には向いている本と言えます。

「まぁ詳しいことは知らんけどとにかくぶり大根が作れればそれで良いんだよ」というタイプの方が読むとおそらく発狂します。

このブログの読み方

ゴルフィングマシーンの内容については、とりあえずメニューの「ザ・ゴルフィングマシーン」に全てぶっこんでありますが、サイト構造が異なるためWP版では読みづらいかも知れませんがおいおい手直ししていこうと思っております。

The Golfing Machine の日本語版の購入はこちら

こちらの記事ページよりご購入になれます。必ず注意事項をよくお読みの上ご購入ください。

The Golfing Machineの成り立ちについてはこちら

どういう経緯でこういう本が出来たのかということについては、このカテゴリーの記事をご参照ください。

上記の記事群のネタ元は、いくつかの英語のウェブサイトと以下の本になります。

このサイトって著作権とかどうなの?

「これって海外著作の無断翻訳ではないの?」と言われると「はいそうです」としか言いようがないのですが、そもそも海外著作の著作権の侵害にあたるのは、原文をそのままネットなどに公表したり勝手に出版したりした場合です。海外著作を日本語に翻訳して発表、出版するためには著作権者と交渉して「翻訳(翻案)権」を取得する必要があります。国際的な著作権を管理しているヴェルヌ条約で、ほぼ日本だけに認められていた特別ルールで10年留保というものがありまして、以下こちらのサイトの引用ですが

10年留保
 ベルヌ条約にはもうひとつ、現在では主要国のなかでは日本にだけ適用される条件があります。所謂 「10年留保」 です。これを簡単に言うと、

  1. 原著の刊行された時点から10年 (該当する場合には+戦時加算) 以内に、日本国内で正式に契約されて翻訳出版がされなければ、その本の翻訳権は自由使用となる。
  2. その10年以内に翻訳出版されれば、一般の著作権の保護期間だけ、翻訳権も存続される (つまり、死後50年+該当する場合には戦時加算)。

ということになります。かつてはベルヌ条約にこの規定があったために、おおざっぱにいえば、原著刊行後10年以内に翻訳が出ていなければ、自由に翻訳出版できる状況にありました。しかし、後の改正でこの10年留保の条項は廃止されました。すべての翻訳著作権は著者の死後50年(当時)まで保護されることになったわけです。1971年の著作権法の改正で、日本もこの新しい規定に従うことになりました。

ただし、(ここがポイントですが) この改正では、

  • 1970年以前の出版物に関しては、さかのぼって新しい基準を適用しない。すなわち、1970年12月31日以前に刊行された本については、依然として上記の10年留保が適用され、刊行後10年間、翻訳出版されていなければ翻訳権を取得する必要はない。

という特例措置がとられているのです。

 これはほぼ日本にだけ認められた特例なので、欧米の著者、出版社にはなかなか理解が得られないこともあり、また著作権意識の世界的な趨勢からみて、いつまで存続するかわからない条項ではあるのですが、とりあえず現状では、

  1. 1970年12月31日以前の出版物で、原著刊行後10年 (該当する場合には+戦時加算)以内に翻訳出版されていないものは翻訳権をとる必要がない。
  2. 1971年1月1日以降の出版物は、著者の死後50年 (のち70年に変更)(該当する場合には+戦時加算) 経過しないかぎり、翻訳権を取得しなければならない。ちなわち現時点では翻訳権取得が絶対条件となる。

ということになっています。

つまり1969年発行の「The Golfing Machine」の翻訳権は上記のように取得する必要がないと言うことになりますので、多分違法性はないのではないかと思います。また本サイトで翻訳している書籍は全て上記の条件を満たしたもの、つまり翻訳権の消滅したものを取り扱っています。

ただしこの日本語で出来ている当ブログの著作権はわたくし大庭可南太に帰属します。

当ブログへのリンクも内容のパクリも基本的にはフリーですが、当方に多大な迷惑が発生した場合はなんか考えないといけないかもしれません。

ゴルフの研究という善意の目的を共有していただければ基本的にはそれで結構です。

参考文献

上記の本に加えて、いくつかの本をベースにこのブログは作られています。

私が勝手に「ホンモノ」と認識している文献

 Search for the Perfect Swing

TGMと同じ年代に出されたやはり体系本ですが、あくまでゴルフストロークで発生する現象についての科学的考察であり、これを読んでも上手くはなりませんが、「なぜそういうことが起きるのか」については非常に丁寧な分析をしています。

奇跡の300ヤード打法ー爆飛びゴルフ

本の題がちょっとアレなんですが、TGMのスインガーを目指す人に取ってこれ以上実践的な日本語の文献は存在しないと思われます。

The 7Laws of the Golf Swing

とにかくイラストがビジュアル的にわかりやすくカッコイイ!著者はジャスティン・ローズの躍進を支えたコーチで、2003年の発売以来いまだにロングセラーの名著と言われているのも納得なのですが、なんでこういう本が日本語版で発売されてないんでしょうか。もし出版社の方いらっしゃいましたら翻訳は是非お任せを。この本は(TGMと違って)絶対売れます。

 

一応おさえで読んでいる本

参考サイト

本ブログの内容に関して基本的に日本語のサイトはあまり参考にしていません。

Perfect Golf Swing

ものすごい研究量(の個人?のブログ)でかつTGMについても非常に詳細な考察を行っていますが、「どうして?」と思うくらい読みづらいです。なんでブログの背景灰色にしてるのかは分かりませんが、ここまでマニアックな情報をネットに丸出しにしているのはすごいです。

The Swing Engineer ™

とてもコンパクトにまとまっています。TGMの原文を読みたいと考える方は、まずこのサイトの内容を読んでそれについていけそうかどうかをチェックしてみると良いと思います。

 

"May The Linear Force Be With You!"