ザ・ゴルフィングマシーンを勝手に解釈していくよ

ゴルフ史上最大の奇書と言われる「The Golfing Machine」を勝手に翻訳したのちに独自の解釈をしてゆくブログ。そしてゴルフは信仰へ。とりあえず日本語版の紙本製作まで終わったので今は新たに「Search for the Perfect Swing」を勝手に翻訳中。ゴルフ界の青空文庫を作れたらいいなぁ。

ゴルフの本質(その1)

まだるっこしい「Search for the Perfect Swing」の翻訳作業もセクション2(第8章)まで完了しまして、ページ数で言うと全体240ページのうち61ページまで進行しました。

この本はそもそも全8セクション、35章からなる書物ですので、どこからどう見てもやっと1/4ですね。ここまで半年以上かかってますのでこのペースでいくと後一年半もかかるのかーと思いつつ、他の執筆系も増えてきましたのでなかなかペースアップは難しそうです。

 

ただ一つだけ不思議な事がありまして、このSPSはゴルフの技術面における実用性はあんまりない書物だと思っていたのですが、なぜかこの翻訳を始めるようになってからゴルフのスコアがすこぶる良いのですね。ちなみにTGMは読むたびにスコア悪くなるんですが。たまたま私の上達のバイオリズム的なものと重なっただけという考え方も出来るんですが、TGMからSPSヘの作業の中で、なんとなく自分の中で「ゴルフの本質」みたいなものが見えてきた(出来てはいない)ような気がいたしまして、そこから少し自分のゴルフが単純化されたように思うのです。

 

で、TGMとSPSの共通点、あるいはSPSがここまで何を言わんとしているのか、などから、欧米人的なゴルフというゲームへの考え方みたいなものと日本のレッスン書的なものへの批判まで、今アタマの中にちらかっているものを文章化してみようかと思います。要するに例によって備忘録ですね!

 

いきなり本題:ゴルフの本質

実は最近購入した本で、ニック・ブラッドレー著の「Kinetic Golf」という本があります。

Kinetic Golf: Picture the Game Like Never Before (English Edition)

Kinetic Golf: Picture the Game Like Never Before (English Edition)

 

表紙だけでお分かりの通り、これ「7Laws of Golf Swing」と同じ著者の本で、後者がゴルフの原則的なアライメントをビジュアルイメージで表現したのに対して、この本ではより実際のプレイにおいて有用なイメージ群をこれまた美しいビジュアルで表現しています。例えばこんなのです。

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これフェアウェイバンカーからのショットのイメージなんですが、要するにボールの下にT-REXのタマゴが埋まってると思って、そのタマゴを割ったら大変なことになるからものすごく薄く打たないとヤバいよってことで、これが実際のショットに良い影響するのかどうかは微妙なんですが。。。これは本題とは関係ないです。

で、「ああ、やっぱりな」と思うのはこの表現です。

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これフェードを打つイメージなんですが、自転車のスポークにみたいになってるのがプレーンラインで、オープンなプレーンとボールのフェード具合を事前にしっかりイメージするという話なんですが、この図ってSPSの

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この写真とか

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この写真と同じですよね。

SPSではここまでの61ページを使ってほとんどこの「ハブ」のイメージの重要性だけを延々述べているわけです。で、これはTGMではより詳細なイメージとして

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この図になるわけです。つまりこの三者に共通している考え方は

要は斜めになった自転車の車輪みたいのがターゲット方向に向いた平面上で回転するようにクラブ振ればまっすぐ飛ぶんじゃね?

ということが出発点になっているわけです。欧米人は基本的にこの身体の中心から生えてる自転車の車輪みたいのをデフォでイメージしているのではないかと。

そしてこの構造物は二次元で見れば究極的にはこういう図になります。

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大事なことは「まっすぐ」です。つまり目標方向にボールを飛ばすにはどうすれば良いかということです。

そのために重要なこととして、TGMでは回転物の中心が定まっていること(ステイショナリーヘッド)、さらにその構造物全体にぐらつきがないこと(バランス)、回転が安定していること(リズム)がまず必要であるとしています。

 

で最近ゴルフの調子がいいのは、とにかくこのイメージを持てるようになってきたからなのですね。

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こういう風にスイング出来るということは、上下のブレが起きないのでだいたいボールに当たりますし、当初作ったアドレス(その通りに振れば目標方向に飛ぶ)とインパクトのイメージに集中してスイングするだけで、後は知ったこっちゃないみたいな感じでクラブというよりも両腕のヒジをスイングするような感じでいくと、そんなに悪い結果にはならないわけです。というかまずOBまで曲がることはあり得ないです。

 

もちろんそうなるためには、フラットレフトリストを始めとした「手の教育」が出来ていることは必要だと思います。フラットレフトリストとエクステンサーアクションとフライングウェッジとオンプレーンなラグローディングは全部密接に関係してますので、どれか一個がヘボいと全体にその脆弱性が波及するので一度に同時に覚えるしかない気がしてるんですが、それはこの後の記事で書きます。

 

何が言いたいかというと、上記の概念で上達を考えるならばまずは

1. 下半身、ボディが悪影響を与えないようにする(安定だけを意識する)

2. クラブや腕を望ましいプレーンでスイング出来るようにする

3. フェースが望ましい方向を維持出来るようにする

という訓練が必要で、結局TGMに書いてあるとおりまずはパターで、そして次にアプローチでという練習が必要になると思うのです。

その上で、車輪の回転を速くパワフルなものにして行くというプロセスになると思います。ここから下半身やボディの使い方に意識を向けていくというのならばわかります。

 

でもね、真っ直ぐ飛ばない人が、OB連発の人が、というかそもそも当たらない人が

「手はなにもしねーよ!ボディだボディ!」

「やっぱ地面反力だよな!」

「マシューウルフのスーパーシャローイングだよな!」

とかイキっても、上達するわけねーだろアホかと思うわけです。

 

もちろんこうしたパワー系の話題の方がコンテンツとしての注目度が高いことはわかります。ただいい加減この「これをするだけで飛距離が20y伸びます」的なマーケティングに見切りをつける消費者の姿勢というのも今後大切になってくると思うのですね。

 

私はライザップのマーケティングがある意味革新的だと思うのは、ライザップでは「トレーニングと適切な食事制限で健康的な減量を達成する」というある意味当たり前のことを主張してそれがマーケティングとして成功しているように見えるからです。ただこの適切な主張は適切過ぎて、実はライザップに行かなくても「毎日10km散歩してストレッチして暴飲暴食しなければ健康的な体型になれる」ことに消費者が気づいてしまう時期が来ます。

でも一昔前の「これを飲めばどれだけ暴飲暴食してもどんどん痩せる」的な、早い話が嘘っぱちのマーケティングからは大きく前進したと思うのです。減りましたよそういう広告。

 

なので現時点でわかっている「手の教育」について次回考察しようと思います。

第八章 インパクトを通じた左腕によるフォワードスイング(その3)

通常運転でまだるっこしーSPSの翻訳に戻ります。今回でセクション2の「モデルが語ること」が終了して、セクション3ではモデルにはないもう一本のアーム、つまり右腕の役割について触れていくのでもう少しゴルフ的におもしろさが増すのではないかと思いますが(単なる期待に過ぎませんが)、その前に次回あたりで一端ここまでのまとめおよび考察の記事を書こうと思っています。

フォロースルーに向けた「フリー・ホイーリング」

 我々はここで、ボールが打撃された後に何が発生しているかについて触れないままこの章を締めくくることは出来ない。

 モデル自体はフォロースルーというものを必要としない。つまりモデルは「打って止まる」という単純な動作を行う事によって、フォロースルーを要さずにその仕事を完璧に行う事が出来るからだ。一方ゴルファーは、フォワードスイング全体およびボールの打撃の終了と共に、スムースに継続する動作としてフォロースルーを取る事が必要となる。ゴルファーにとってフォロースルーとは、ボールを打撃するスイングアクションに継続する、インパクト以降に残存するボディ、両腕およびクラブの慣性を吸収する目的に寄与する必要不可欠な動作なのだ。

 フォロースルーの最中における最も大きなパワーは、言うまでもなくクラブヘッド自体の慣性である。モデルタイプのスイングアクション全体の狙いは、インパクトに向けて、ボディや両腕のスイング動作によって作り出された慣性を、可能な限り多くクラブヘッドに伝達することである。従ってインパクト後のボディ単体に残っている慣性は、フォロースルーに向けたスイング動作を継続する効果としては、クラブヘッドに注入されてしまった慣性に比べて極めて少ない。

 またパワー全体の一部は当然のことながら飛んでいくボールに注がれている(実際には全体の四分の一程度)が、その残りはフォロースルーによって吸収されなければならない。このパワーの吸収は、ハブを中心とした全体のアクションをクラブヘッドが引き込んでいく際、両腕、ボディ、両脚といった抵抗要素、すなわちそれ以上速く加速を行おうとすることを妨げるものに対抗させることで行われている。

 最も単純なモデルタイプのスイングの動作においては、プレイヤーがリラックスした状態であればボディ全体が勝手にこの動作に引き込まれていく。これがゴルファーがフォロースルーのポジションまでに達成しなければならない「フリー・ホイーリング」アクションであり、クラブヘッドがインパクトを通じてどのようにスイングされたのかに密接に関連したものとなる。

 

インパクト時の左手首

 左手首に注意を払っていればいるほど、フォロースルーに向けたその動作はインパクトに向けての動作を直接的に継続したものとなる。

 まずインパクトに向けて90°旋回した前腕は、そのままインパクト以降も旋回を続け、左手の甲が地面を向くようにロールをし始める(外旋)。

 次に、この直接的な結果として、クラブヘッドの慣性は、クラブヘッドがボールを打撃した地点を越えてそのまま進む事で左手首を自然に再びコックさせることになり、フォロースルーに向けて左前腕が左手首の後方に配置するように引き上げていくことになるのだ。

 クラブヘッドが左手首を、インパクトのポジションにおける「スクエア」でアンコックした状態から、フォロースルーにおいて外旋およびリコッキングを行うシーケンスに誘導する度合いは、プレイヤーがどの程度この現象の自由な発生を許容するかによる。スイングにおける他の動作と同様、スイング動作においてこの現象の発生を自然なものと捉えるか、あるいはその発生を助長するのか、あるいは抑制もしくは遅らせるのかといった選択によるのである。

 モデルが指し示す限り、最もシンプルな動作は自然発生もしくは「フリー・ホイーリング」のいずれかである。このことは、ダウンスイングにおいて「リストロール」の採用される度合いが強いほど、フォロースルーにおいてもその度合いは強まることを意味している。

 しかし注意すべきなのは、8:6のように甲側にヒンジされた状態はフォロースルーの初期段階においてはまだ到達すべきではない状態だということだ。もしこの状態になるのであれば、前腕のローテーションが急激かつ不本意に停止し、クラブヘッドの慣性がこの手首が甲側に折れたポジションにヒンジさせたことを意味している。

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フォワードスイングのまとめ

 ここでゴルファーがインパクトを通じたフォワードスイングで、モデルのどのような部分を再現しているかについて、主要なものを以下にまとめてみる。

  1. ターゲットに向けたプレーン内で、ハブのアクションで前後にスイングすること
  2. ターゲットに向けたプレーン内で、クラブヘッドを前後にスイングすること
  3. 左手首のアンコックのタイミング、またそれがプレイヤーによって活用される際に発生するあらゆるフォースが、モデルの「自然な」スイングのシーケンスにマッチしていること
  4. ダウンスイング初期における左手首のさらなる右への旋回すなわち内旋によって、ダウンスイングの初期段階にターゲットを向いたプレーンからクラブヘッドが外れることを防ぐこと
  5. インパクトに向けて左手首のアンコックと同時に発生する、約90°のターゲット方向への左前腕の旋回によってプレーン内にクラブヘッドが振り出されること
  6. 上記のアクションを、インパクトの前後を通じてクラブヘッドがスイングされる際、左手の甲がターゲット方向に狙いを付けている状態になるように制御すること。この際最も効率的な打撃を行うための、インパクトにおける手首の状態としてクラブヘッドとプレイヤーの胸部の中心を結んだ線よりも両手首がわずかに前方に出ていること

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  7. 左手首はフォロースルーに向けて外旋を続け、クラブヘッドの前方への慣性によって左手首が再びコックを始める際、クラブヘッドの残余の慣性がボディによって吸収される。フォロースルーはプレイヤーのインパクトを通じたスイング動作全体の形を直接的に反映したものとなる。

 

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8:9 ジュニアゴルファーの上方から撮影した連続写真。モデルのダウンスイングを美しく再現している。上のゴルファーは10歳の少女である。また下のゴルファーは12歳の少年であるが、クロスハンドグリップになっていることに注目して欲しい。この方法ではモデルの必要要件を忠実に再現することが可能だが、いくつかのポイント、例えばバックスイングのトップなどで脆弱性をはらむ可能性がある。

シングルレングスアイアン探求の旅

先日も告知しましたが、ユニバーサルゴルフ社の方で新たに

「Club-PCM」

というゴルフ情報(もちろんマニアック寄り)サイトがオープンしました。

clubpcm.com

 

で、わたくしめがこの中で書いておりますのは、こちらのブログの方で「ゴルフをする機械」(TGM日本語版)が30部売れたら自らイーデルのシングルレングスアイアンを導入してその優位性を確認していくという公約を実行していく過程で、せっかくなのでユニバーサルゴルフ社やフィッター、クラフト、レッスンの三役を受け持つ、筒康博さんのご協力などを得ながらコンテンツにしていけばなんか起きるんじゃないかということで、企画進行型コンテンツ「シングルレングスアイアン探求の旅」というものを書かせていただいています。

一応ワンレングスアイアンに関しては日本で一番の情報量を目指して気長にやっていこう(どうせそんなすぐにブーム来ないだろうし)と考えておりますが、このブログの読者様にもご覧いただけるようにリンク集を作ることにいたしました。

カテゴリー「0-7 シングルレングスアイアン探求の旅」としてサイドバーに置いておきますので、たまにのぞいていただけるとリンクからイッキ読み出来てわかりやすいのかなと。

「Club-PCM」はまだ立ち上がったばかりですが、今後もいろんなコンテンツを増やしながら成長していくと(たぶん)思いますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

 

「シングルレングスアイアン探求の旅」

2019.06.27 第一話 (前編)「ゴルフって道具の種類が多すぎないか」

2019.06.28 第一話 (後編)「シングルレングスアイアンの着想」

2019.07.05 第二話 「アイアンとは何か(その1)」

2019.07.14 第二話 「アイアンとは何か(その2)」 

 

基本的には週1くらいのペースで更新できるといいなぁ......。

 

 

 

2019 3Mオープン観戦記 マシュー・ウルフとブライソン・デシャンボー

久々に感動したのでこのブログでは珍しく観戦記です。

まぁ文句なしに今年一番の激闘だったと思うのですね。

3日目を終わって首位15アンダーに今年プロ入りを表明して主催者推薦で出場しているマシュー・ウルフ、コリン・モリカワの二選手に我らが(?)ブライソン・デシャン坊の三人が首位-15で並んでいる状況に、それを二打差で追いかける松山君という私的にはこれ以上ないおもしろ展開だったわけです。

 

マシュー・ウルフ君は名門オクラホマ州立大学で歴代の全米全学生の歴史の中で最小平均ストロークという安定感に、カックンワッグルからの縦あげ超シャットから思い切りシャローイングしてのGGスイングという個性の持ち主で、ここんとこずっと話題にはなっておりました。

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もう子供がマネしたくなるヤツです。TGM的に言うとおもくそプレーンシフトですが実はフェースのターン量が少ない今時スイングをちょっと「Aスイング」っぽくしてる感じです。こんなんしたらめっちゃドローすると思いますが実はフェースターン全然してないのでそんなにドローかかってません。

コリン・モリカワ選手はめっちゃプレーンシフトのマシュー・ウルフとゼロシフトのデシャンボーの二人の変態に挟まれて困惑しつつもめちゃくちゃオーソドックスな美スイングで優勝争いに最後まで絡みましたが、ちょっとキャラの濃さが足りませんでしたので今後に期待です。

 

最終日が始まった段階で、上位陣で優勝経験が豊富なのは松山君とデシャンボーだけで、これだけの混戦になると優勝経験ない人は勝ちビビりしてスコア崩すことが多いので、期待も込めてこの二人のマッチレースを予想していました。

実際デシャンボーと同じ組で廻ったウィンダム・クラークなんてデシャンボーのパットがマジで遅すぎたのと一時首位に立った時の緊張感で曲げまくってしまいましたし、最終組の二人にいたってはついこの間まで学生だったわけですからさすがに最後まで自分のプレーを出し切るというのは難しいでしょうと思っていたわけです。

結果的にはこの最終組は、学生の団体戦のノリで最後まで突っ走ってしまったわけです。もしデシャンボーとマシュー・ウルフが同じ組だったらたぶんぜんぜん違う展開になったのではないかとも思います。団体戦は良い方向に燃えますから。アメリカ人。団体戦ではなくてPGAの試合だったんですけど。

 

今大会はアメリカでは珍しくフルベント(ポアナとか雑草的な芝が混ざっていない)で素直なグリーンだったこともあって連日けっこうなビッグスコアが出ていましたので、首位三打差くらいまでは何が起こるか全くわからない展開でしたが、おそらく最終組に近づくに従ってグリーンも荒れていたように思いますので上位陣のスコアはそれほどは伸びずに進行していきました。

まぁとは言えベントのぼーぼーのラフはそうとうねちっこいのでこういうこともあります。

 

松山君はバックナインで本当にあと一つでも二つでもパットが入っていれば優勝もあったと思いますが、残念ながら決めきることが出来ないまま終盤に入ります。

 

17番まででルーキーの二人が一打差で並び、最終18番はPar5でしたのでこの二人の優勝争いになるかという展開の中で、KYで図太いことには誰にも引けを取らないことで有名なデシャン坊が18番のセカンドで会心のショットを見せます。

本来デシャンボーはややフェードヒッターなのですが、ここはコースの形状的にフェードは打てない状況でしたのでおそらくボールをやや後方にセットして(ヒッターの特徴)ドローを打ってイーグルを狙いに言ったと思われます。

結局これがズバリで、デシャンボーが土壇場で単独首位に立ちます。まぁこのときのデシャン坊のパットが遅いこと。さすがPGAのデシャンボー、日本LPGAの申ジエと言われるだけのことはあります。言われてるのかどうか知りませんが。

で、この間とっくにティーショットを終えたマシューとコリンの若者二人は、ずっと素振りとかしながらフェアウェイで待たされるわけです。双方ともバーディを取らないとデシャンボーに並べない状況で、共に2オンを狙いに行きますがマシューはグリーン左脇のラフ、コリンはグリーン中央でピンまではやや距離を残したところに着弾しました。

この展開も良かったと思うのです。まぁ入らなくても寄ってプレーオフだなと。

でこれが入っちゃうわけです。

入ったときの瞬間のデシャン坊の失望の様子がこちらです。

この瞬間ではなくこのちょっと前に歓声を聞いて「え、あれ入ったの!?マジかよ。クソっ」って言っていたように私には聞こえたのですが、確かに「Shit!」って言っていたように私には聞こえたのですがどうもツイッター界でその確証を探すことは難しいようです。今となってはホールアウトしたマシュー君を祝福しながら最後に右パンチを浴びせる清々しいデシャン坊の雄姿が残るのみです。

うっかり途中から録画した気もするのでいずれじっくり検証してニヤニヤしたいと思います。

 

終わってみればまぁこの日はホントにマシュー君の日でした。池に入ったと思ったらラフで止まってたのも二回ありましたし、最後のミラクルも含めそういうことがないとやはり初優勝は簡単ではありません。

私としてはもちろんイケイケのマシュー君、優等生モリカワ君と元祖問題児のデシャン坊の三人によるプレーオフでデシャン坊がどのように嫌がらせをして先輩風を吹かせるのかを見たかったのですが、それは今後のお楽しみとしたいと思います。

 

とにかくここまで団子状態の混戦は近年でも稀ではなかったかと思います。

本当に面白い試合でしたので再放送がある場合は是非ご視聴をお勧めします。

 

やっぱゴルフはライブ中継がサイコーっすね!!

 

現場からは以上です。

第八章 インパクトを通じた左腕によるフォワードスイング(その2)

いろいろ忙しいのと本文長くなったのとで今回は余計な前口上は無しでいきます。

下方のレバーをスイングすること

 ゴルファーがモデルのシンプルなアクションを人間の構造に置き換えようとするとき、本章の始まりにおける五つのポイントの第五番目、すなわちゴルファーの持つ複雑性をどのように制御するかが重要となる。

 バックスイングに関して言えば、我々は既に、ゴルファーがモデルの動作を再現するための独自の動作を基本的なシーケンスとして導入しなければならない際の、構造的な複雑性について考察を行ってきた。この複雑性は、モデルのヒンジの動作である、「上下に」強い手首のコッキング動作を行うことから発生している。

 ダウンスイングの後半まで手首はコックを維持しなければならないこと、またそれによってクラブヘッドもまたプレーンにとどまり続けなければならないという事実は、バックスイングにおいてクラブヘッドをプレーン上にとどめておくための左腕のわずかな旋回(約30°程度)は、ダウンスイングにおいてはそれでも不十分であり、インパクトに向けてクラブヘッドが振り出されるまでに実際には90°程度まで増加させられる必要があることを意味している。このことは8:2の写真、もしくは第十一章のホーガンのスイングシーケンスの9個目の写真を見れば明らかである通り、両手はインパクトのポジションにさほど遠くない地点でも、左手甲はまだプレーンに対して直角の方向を向いているのである。

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8:3 前腕の旋回の最終段階。(a)のポジションから(b)のインパクトのポジションまでに左前腕はほぼ90°旋回しており、手首のアンコックも同時に行われている。これら二つの状態にはわずかに0.02秒の差しかなく、両手が移動している距離はごくわずかである。

 このことに関しての詳細な機械的理由については、読者にとっては自明のことかもしれないが、8:3にて説明を行っている。

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8:3 これらの写真群は、左前腕の旋回が、アップスイングから始まり、ダウンスイングの途中まで継続して行われなければならないことをデモンストレーションしたものである。トップオブバックスイングのポジション(a)から、もし前腕がさらに旋回されることなく両手がダウンに向かった場合、クラブヘッドはプレーンの遥か外側に放り出される(b)こととなってしまう(試してみることだ)。(c)のようにプレーン内にヘッドを収めた状態を保持しようとする場合、さらなる前腕の旋回が必要となる。実際にはこの旋回はダウンスイングの前半において徐々に行われ、リストのアンコックと同時に急激にクラブヘッドがボールにスクエアになるように行われる。

 

「左手首のローリング」における人間の優位性

 インパクトのポジションに向けて前腕をロールさせて急激にフェースをスクエアにする必要性は、実際にはインパクトに向けてクラブヘッドを加速させたいとするゴルファーの欲求に対して、この際の手首の動作が合致したものとなる点でメリットが感じられやすい動作であると言える。

 試しに左前腕を右方向に90°旋回(解剖学的にはプロネーション:内旋)させたのち、インパクト時にフェースがボールとスクエアになるよう左手親指が上を向くように再度旋回(同じくスピネーション:外旋)させてみる。この後半の外旋という動作は、右利きであればネジ回しを使ってネジを押し込む際に使う腕の動きと同じであることがわかる。

 人体にとってこの腕および手の動作は非常に力を入れやすい動作であり、実際にはゴルファーはフォワードスイングの自然なシーケンスの最終段階において、この動作と、よりシンプルな垂直方向のアンコックの動作を精密に組み合わせることを行っている。

 ゴルファーは、クラブヘッドを「自然に」モデルの機械的なプレーンの要件に沿ってクラブヘッドを動かす際、この二つの動作のコンビネーションを使用することが可能なのである。クラブヘッドのインプレーンに発生している慣性が、これらがどのように連動するかと、フォワードスイングの全体の動作においてどの程度余分にパワーを付加出来るかを決定する。

 ここで「ネジ回し」効果は、当然のことながらクラブシャフトと左腕に角度が付いている限り、クラブヘッドを加速させる効果を発揮する。もしこの二つの間に角度がない、つまり真っ直ぐな状態である場合、単にシャフト周りをクラブが旋回するだけになってしまう。よって我々は、積極的なリストアクションによってどの程度クラブヘッドを加速させることが出来るかについて、過剰な印象を持ち過ぎないように注意しなければならない。

 これまで論じてきた左腕一本によるスイングにおいては、手首はおそらくより完全に脱力した、力の加わっていないユニバーサルジョイントのような動作を行っているはずである(ただし常にトップオブバックスイングで「ストッパー」は働く)。また重要なことは、例えリストアクション、あるいはアンコッキング、「ネジ回し」の動作によってパワーが付加されるとしても、それはクラブヘッドが自然に外周方向に振り出される動作を補助するものに過ぎないと言うことだ。

 

モデルのパターンに沿ったインパクトを通じたクラブフェースの操作

 ゴルファーがボールを打撃する瞬間までのフォワードスイングのシーケンスにおける最終的な動作とは、左手首、より厳密に言えば左前腕を、アンコッキングによって真っ直ぐにすること、および「ネジ回し」の動作によって旋回させることである。これに伴い、以下が必要となる。

1. 下方のレバーが自然に振り出されることによって追い越し動作が発生し、その際に能動的な筋肉の動作によってスピードが付加出来る状況を整えること。

2. ダウンおよびフォワードスイングの後半以降にかけて、プレーン内をかかと方面に降ろされてきたクラブフェースが、ボールの打撃を行う地点までにプレーンに対して90°スイングされ、プレーンに対して90°のスクエアなポジションを達成する。

3. この際に投入可能なヒンジアウトの動作を発生させるいかなるパワーも含め、動作全体はこれまでの章で説明されたモデルのフォワードスイングの「自然な」シーケンスにフィットしたものでなければならない。

 

パターンの本質的なポイント

 ボールの打撃に向けてのフォワードスイングのまとめとして、付け加えるべき本質的なポイントが一点だけ存在し、それはこれまでに説明されてきたスイングおよびアンコックの基本的シーケンスにおける、より洗練されたポイントと言える。これは全ての「良いゴルフ」における本質的、構造的な秘訣と言える。

 ゴルファーが活用しているものに類似した作用群の動作を使ってスイングを行うモデルを作ろうとした際、それはインパクトに向けてのヒンジのアクションが8:4のような場合に最も効率的となり、

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 8:5のようであってはならないということを指し示した。

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 インパクトで8:6のように左前腕がクラブヘッドのはるか後方を指しているようなポジションを取った場合、通常のフルショットには遥かに満たないパワーしか発生させることは出来ない。

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8:6 8:7との比較における「悪い」インパクトのポジション

 つまりインパクトにおいては、左前腕のラインは少なくともクラブヘッド方向、望ましくは8:7のようにクラブヘッドの前方を指しているべきなのである。

 

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8:7 「良い」インパクトのポジション。コンピューターによるモデルの分析およびプロのスイングの観察は、クラブヘッドが最高速度に達するのは、ヘッドが両手を追い越す直前になるという結論を導いた。

 もちろんクラブヘッドが両手の前に来ているというインパクトのポジションもなくはないが、それはロブショットや高いカットボールなど、何らかの目的に沿った、例えば急激にボールを止めたいなどの「技巧」を重視した場合であり、ボールを遠くに飛ばすという目的のショットの場合ではない。

 このことがモデルの考察から導き出されたものではないことも強調しておく必要はあるが、多くのトップレベルのプレイヤーのインパクトの瞬間の写真群は8:7にて表現されているポジションを取っていることについての豊富な裏付けが存在することから、これは「良いゴルフ」の一つに必須要件であると考えられる。8:8のダイ・リースの写真、あるいは第十一章のベン・ホーガンの例を参照して欲しい。

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8:8 ダイ・リースのインパクトの瞬間。クラブヘッドが両手を追い越す直前でインパクトしていることを明確に指し示している。これを2レバーモデルに当てはめれば、下方のレバー(クラブ)が、上方のレバー(左手とネクタイを結んだ線)を追い越していないと言うことが出来る。

 もちろんクラブヘッドが両手の前に来ているというインパクトのポジションもなくはないが、それはロブショットや高いカットボールなど、何らかの目的に沿った、例えば急激にボールを止めたいなどの「技巧」を重視した場合であり、ボールを遠くに飛ばすという目的のショットの場合ではない。

このことがモデルの考察から導き出されたものではないことも強調しておく必要はあるが、多くのトップレベルのプレイヤーのインパクトの瞬間の写真は8:7にて表現されているポジションを取っていることについての豊富な裏付けが存在することから、これは「良いゴルフ」の一つに必須要件であると考えられる。8:8のダイ・リースの写真、あるいは第十一章のベン・ホーガンの例を参照して欲しい。

 

まぁ今更フラットレフトリストかよって話ですが、確かに機械的なモデルでは「下が上を追い越してない状態」としか表現できないですね。