ザ・ゴルフィングマシーンを勝手に解釈していくよ

ゴルフ史上最大の奇書と言われる「The Golfing Machine」を勝手に翻訳したのちに独自の解釈をしてゆくブログ。そしてゴルフは信仰へ。

フラットレフトリストあるある

なんか最近記事を更新してなくてもそこそこアクセスがあるなぁと思って解析を見てみると、やはりデシャンボーのおかげでアクセスが伸びているんですが、それ以外にも「ゴルフィングマシーン」を直接検索する方の流入が増えているみたいなのですね。

基本的にこのブログにたどり着くためには、「スインガー、ヒッター」で検索するか、デシャンボーは最近記事が増えてきましたので「デシャンボー パター」で検索する方がほとんどなのです。

「ザゴルフィングマシーン」なんかで検索する方はほぼ皆無と言って良かったのですが、やはりデシャンボーの影響で、いくつかのWEBメディアでTGMに関しての記事を書いておられる方がいらっしゃるみたいで、その関連でのアクセスがちょっと増えているみたいです。それらの記事を見ていてちょっと気になるのは以下二つです。

 

1. TGMの記事を書くなら、ちゃんとTGM読んでから書こうね(大変だと思うけど)

2. デシャンボーがTGMを参考にしているのは本当だと思うけど、TGMを参考にしたからといってみんながみんなああいう変態的ロボットちっくな打ち方になるわけじゃないからね

 

もし私が既にゴルフ界である程度の実績を持っている評論家・レッスンプロなら、絶対にTGMには関わらないようにするか、徹底的に「あんなものクソの役にも立たない」と言って相手にしないようにするかのどちらかだと思います。わかっているフリして軽装で樹海に深入りするのは危険を伴います。ある意味ジム・マクリーンさんは正しいスタンスを取っていると思います。

 

さておき、

 

TGMのセフィロトを見れば

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そろそろフラットレフトリストの考察をしなければならないとは思っていたのですが、一つ大きな問題があるのです。それは

私自身がフラットレフトリスト出来てない

ということです。

これは大きな問題です。TGMと言えばフラットレフトリストで、「出発の扉」と言っているわけです。こんなブログを約二年も続けてきて(思えばまだ二年なんですね)その本人がどこぞの政治家風に言えば「一丁目一番地」とも言えるFLWを出来ていないとは何事だということになります。

ものすごく自己弁護的かつ上から目線な言い方をすれば、

「私はフラットレフトリストを自分が出来ていないことを知っている」

ということになります。まぁそんなもんスマホで動画撮ればすぐわかるんですが。

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まぁこのくらいインパクトの後までハッキリくっきりFLWをキープするだけでおおよそ合格ではないかと思うのですが、私の場合このくらいの手の位置の時にはもうヘッドが走っちゃって返っちゃってトゥが上向いているわけです。

「いや、俺は自分の動画見ると上の写真くらいFLW出来てるゼッ!」という方は良いのですが、どうも私の周りのアマチュアにそのようなショットが出来ている方が一人もいませんのでどうしたものかと悩んでいるわけです。

なのでこの記事では逆に、私がこれまでTGMを読んでどのようなイメージでFLWを達成しようとしているかを分析して、それによって出来ていないと言うことはその逆をやれば良いんではないかという試みの試みでございます。

 

スインガー+フラットレフトリストのイメージ

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写真は例によって「The 7Laws of Golf」からです。

上の写真からどんなイメージでFLWを達成しようとしているかと言うと

左腕を真っ直ぐ伸ばす

TGMでは左腕は伸ばされているということになってるんですが、そうしようとしてチカラが入りすぎると、左肩が浮きやすくなってトップしやすいです。

インパクトは左手甲で裏拳

まぁ同様にチカラが入りやすくなりますが、さらには左手首がなぜか甲側に折れやすくなります。

左手首のコックを死守

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これもリキみを発生させる大要因です。「7 Laws...」によると

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「シャフトが羽毛で出来ているので、ダウンの時の空気抵抗で自然にコックが入ってしまう」くらいのイメージが良いみたいです。

FLWを維持したままヘッドを走らせる

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モダンゴルフのこの図ですが、基本的にはヘッド走らせようと意識した時点でFLWは維持出来なくなります。

上から入れる

これもよく使われる言葉なんですが、たぶんFLWが出来ているとフェースがかぶって当たることはあるとしても、ヘッド軌道そのものはシャローになるはずなのですね。上のデシャンボーのアイアン見ても、FLWが維持出来ているからインパクトゾーンを長く取れるわけです。

 

これらのイメージを統合して、これまではテニスでいうスライスを打つような感じが理想なのではないかと思って練習してきたんですが、

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★画像は反転しています。

だって上の写真だとFLW出来ててフェースは返ってなくて左腕は伸ばされてて上から入っててコック維持出来てるでしょう。

でもテニス経験者の私でもデシャンボーみたいにならないわけです。

そこで先入観を捨ててもう一度デシャンボーの写真を見てみると

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これがテニスだとすると、

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スライスよりもむしろトップスピン打った感じの方が近い気がしません?

そしてこのイメージだとものすごくFLWというか左手首を完全にアーチにしたまま打てるイメージがわいてくると思うのです。

トップスピンというのは一度ラケットのヘッドを下げて、そこからややフェースを被せながら上に振り切ることでボールに順回転をかけるショットですが、このイメージをゴルフに導入するとしたら、

ダフるイメージしかありません。

だって最下点を過ぎた後にインパクトしないと上に打てないので、空中のボールを打つテニスでは可能でも、ゴルフでは先に地面にクラブが刺さってしまうのではないかと(ドライバーは出来るかも)思うわけです。

しかしデシャンボーのショットを見ると、やはり手の位置は最下点を通過した後でインパクトしていると思うのですね。つまりヘッドが(たぶん自然に)両手より遅れてくれるぶん、トップスピン気味にインパクトしようとしてもヘッドは間に合わないので結果としてFLWマシマシのダウンブローちっくに打てちゃうのではないかということです。

よってまとめますと

左腕は伸ばさない

裏拳のようにチカラを入れない

コックは維持しない

走らせない

上から入れようとしない

つまり、

下から上にトップスピンをかけるように打つ

とFLW出来るんじゃないかという仮説でございます。

ちなみにテニス経験者として言わせていただくと、手首で振り上げてトップスピンかけるのは(それでも一応かかることはかかんるんですが)「なんちゃってトップスピン」です。トップスピンは本質的にはラケットの下から上への軌道でかかるものです。手首が痛いと感じたらどこかになんちゃって要素が入っているかも知れません。

 

では練習行ってきます!

 

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グリップの握り方(その4)

デシャンボーがプレーオフ二連勝でFedEX Cup年間王者に王手をかけて、なおかつライダーカップのメンバーにも追加招集されることが決まりました。でもって一緒に追加招集されたのがタイガー・ウッズとフィル・ミケルソンということでツイッター上ではこの三人の写真が様々氾濫して大変なことになっております。

デシャンボーが年間王者になって、ライダーカップでも活躍なんて事になれば、これはもう世界のトッププロという事になってしまうわけでございまして、「妙なスイングしてる変わり者」という見方が、「あれって実は合理的なのでは」という見方に変わるまでそう長くはかからないのではないかと思います。

デシャンボーの強みは先天的なそのパワーを、後天的な「科学的考察」によって「正確性」と両立させている点にあると思います。かつては「理論」としては仮説の確立が可能でも「観測」による実証が難しかったゴルフの科学も、計測機器やスマホ撮影の充実でその観測精度はどんどん高まってきています。そしてその流れは今後とどまることを知らないでしょう。今では300万円のトラックマンとほぼ同じ機能のことを将来スマホがやれるようになるかも知れません。そうして様々な「仮説」と「実証」が生まれていけば、これまでの常識を覆すようなことがどんどん出てくるのではないかと思います。

逆に言えば「ウソや適当なこと言うとバレる」時代になると言うことです。

TGM信徒の一人として思うことは、ただひたすら科学的根拠や観測に基づいた上達の仕組みを研究、実験、応用し続けると言うことでしかありません。おそらくゴルフの物理に相対性理論や量子力学は必要ありません。ニュートンで大丈夫です。まずはしっかりニュートンをおさえていこうと思う今日この頃です。(TGMの邦訳本もいそがないとなぁ)

 

で、今回はグリップの握り方(その4)としていますが、これまでの記事で書いてきたことと基本的には同じですが、今回トップページでも紹介している「The 7 Law of The Golf Swing」を秋葉原で自炊してきてイラストが使いやすくなったので、その素晴らしいイラスト群をご紹介しながらグリップの注意点を補足したいと思います。

イラストは全て「The 7 Law of The Golf Swing」からの抜粋です。

 

両手の向き

以下の写真でも分かるとおり、人間が普通に手をぶらーんとすると、個人差はありますが若干手の親指側が内側を向くようになると思います。

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グリップは手を叩くときのように、両手の手のひらを正対させるようにするのが正しいという意見もありますが、解剖学的には上記の向きをなるべく損なわないように握るのが「ニュートラル」だと主張しています。例えばバイクでもママチャリでもハンドルってこういう向きになっているわけで、その自然さが大事ということですね(スポーツ系のチャリはハンドル真っ直ぐなのがあるぞというご批判は無しでお願いいたします)。

 

ロングサムかショートサムか

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これって左手をどの程度フィンガーっぽく持つかにもよるとは思うのですが、やや人差し指を下の三本から離して親指と近づけたほうが強度的に優位なのではないかと主張しています。個人的にはこの方がケガも少ないと思います。

 

左手親指と右手生命線の関係

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もう上の写真で説明不要なんですが、このフィット感はグリップに関連する諸要素の中で最も大事であるとこの本では主張しています。私もそう思います。というかこれを重視すると私の場合ロングサムは出来なくなります。

 

第一プレッシャーポイント

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これは前にも紹介した画像ですが、この本はTGMとは関係ありませんのでもちろん「プレッシャーポイント」という言葉は使用しませんが、要するにTGMでいうところの「第一プレッシャーポイント(6-C-1)」、と同じです。で、この部分がパカパカすような握り方は絶対するなよという画像です。わかりやすい。

 

グリップを握る強さ

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「どのくらいの強さか」を意識するよりも、握った時にグリップと両手の間に余分なスキマが発生しないように、「ガスをぷしゅっと閉め出す感じ」くらいがいいよとおいうお話です。くだらない説明するより上の画像をみればお分かりいただけると思います。

 

最後に

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「よいグリップ」とは、もう上の画像のターミネーターみたいにクラブと両手が溶け合って完全に融合しちゃってるような感じってことだと。

 

この本の特筆すべき点は「モデルの人の腕毛が濃い」ということではもちろんなくて、

いちいちグラフィックが美しいしわかりやすい

ということです。「グリップの中に空気を入れるな」というのは後藤修先生もおっしゃっているわけですが、こういうグラフィックがあると文字で説明するよりも何倍も伝わりやすいと思う訳ですね。

英語わからなくてもこれは絶対オススメです!滅多にこのブログはアフィリ的なことしませんがご購入は是非以下のリンクからどうぞ!

 

ブライソン・デシャンボーまとめ

記事の更新をすっかりサボっている間に、

またデシャン坊が勝ちやがったらしい

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こちらの記事によると

www.pga.com

プレーオフ第一戦を制したことで

・Fedex Cupランキング1位に浮上

・ライダーカップにもキャプテン推薦で選ばれる可能性大

ということになりました。ライダーカップは日本ではCSでしか放映ないけど、早い話が欧州 vs 米国の団体戦で、2年に一回行われるものです。この代表に選ばれるのはアメリカ人にとって大変名誉なことらしいです。このブログ始めた頃はプロ転向したてで妙ちきりんなパッティングスタイルと(いまだに妙ちきりんな)スイングで世界中の笑いものになっていましたがずいぶんと出世したものです。

このブログのお題でもある「ザ・ゴルフィングマシーン」という本の存在を知ったのは、デシャン坊が2016年のマスターズでローアマになったニュースを見たことがきっかけなので、ある意味このブログの恩人と言えなくもありません(ちょっとムカつくけど)。なので彼がどんな人物でどんな信条でゴルフをしているのかを軽くまとめてみたいと思います。

 

キャリア

カリフォルニア出身で大学からテキサス(南メソジスト大学の物理学専攻)に行ったとWikpediaには書いてあるんですが、彼のコーチであるマイク・シャイと、テキサスのメーカーであるイーデルゴルフ(マイク・シャイとデイビット・イーデルは共にベン・ドイルに師事しているんですが、このあたりの経緯はこの記事でも読んでください)とはガキの頃からのつきあいのはずです。

大学三年時に、アメリカのアマチュア最高峰の試合である、NCAA選手権と全米アマを勝ちますが、同一年にこの二つのタイトルを獲得したのは過去、ジャック・ニクラス、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズ、ライアン・ムーアの四人だけで、この頃からスーパースター候補と目されるようになります。

2016年のマスターズでローアマを獲得した後、大学が出場停止になったことからプロ転校します。それと同時にコブラ(プーマゴルフ)と契約してイーデルをがっかりさせます。

2016年は道具もフィットしていなかったのかあまりパッとしませんでしたが、2017年に入ってジョンディアクラシック、今年に入ってメモリアルと今回のノーザントラスト選手権を勝って、現在に至ります。

 

スタイル

彼の代名詞と言えば、アイアンの長さが2長さ37.5インチ(日本仕様だと6番アイアンくらいの長さ)で3番からウェッジまで統一されていると言うことで、加えてコックを極限まで減らして純粋なシングルプレーンのゴルフをします。

 

どーしてこうなった

彼は15才の時にコーチに「ザ・ゴルフィングマシーン(TGM)」を渡されて読みふけったと言われていますが、現在のデシャンボーのスイングを見ると、TGM的には「正確性は増すがパワーが不利になる」ことだけを思いっきり煮詰めてきたと言えます。全英のエキジビションで行われたドラコンで1位になったことからも分かるとおり、こいつのパワーはそもそも半端ではありません。おそらく生まれてから一度も「パワーが足りない」と思ったことがないのではないでしょうか。なので「正確性が上がれば楽勝」と考えているフシがあります。

 

考え方

今回のノーザントラストのダイジェスト動画ですが

www.youtube.com

0'15秒くらいのところでパット打ちますけど、

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左腕とクラブをほぼ一直線にして、そのユニットを真っ直ぐ動かすだけ、要はアンカリングと同じ考え方です。

これを全ショットでやります。

そのように考えていくと、コック、アンコック、あるいは手首のターン・ロール(第四章参照)が増えることは彼にとってはストロークを不安定にさせる要因でしかないと言うことです(バンカーはちょっとコックするけど)。でそれをショットでやろうとすると、こういうアドレスになるわけですが

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左腕とクラブを常に同一プレーンに置くことによって(コックとターンを最小限にすることで)安定性が高まるのはいいとして、それが彼の体格的に最もラクに行えるのはどのくらいのライ角かを試行錯誤した結果、(現在の)73°くらいが理想となったと思われます。

ただクラブの長さが番手ごとに変わってしまってはそのライ角を維持できないので、そこから「じゃあ同じ長さのアイアンセットを作ればいーじゃん」と発想したと思われます。

ただこれは現在のゴルフの常識とはかけ離れたもので、基本的にはクラブは長くなるにつれてライ角も寝ていって、ヘッドの重量も軽くなるように作っているわけです。このデシャンボーの「全部同じように振れて(バランスも一緒で)ロフトだけ違うクラブつくって」という要求は、おそらくクラブの設計を全く異なる概念でイチから始めるくらいの労力が必要だったはずです。

またドライバーでも同じ長さにできないか実験をしたと思われますが、おそらくはドライバーのロフトでそこまでスティープなヘッド軌道になるとスピン量が増えすぎて使い物にならなかったのだと思われます。

なのでそうして作り上げられたクラブのスペックを持ち出して大手と契約するという所行を知ってしまうと、「義理に欠けた小僧だ」と思われてしまうわけですね。

 

TGMの専門的には

シングルバレル(#1)

ストロングシングアクション

ドライブローディング(ヒッター)

プッシュストローク

アングルドヒンジング

ゼロシフトプレーン

というところが特徴的であると言えると思います。

おれは怪力だがブキッチョだという人にはあり得る考え方ですが、上述の通りクラブのスペックが本人にマッチしているかどうかで結果が大きく左右されると思いますので(デシャンボーもプーマのアイアンに変えてしばらくは不調だったわけで)専門家(もそんなにいないと思うけど)の指導のもと行うようにしてください。


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スイングが「速い」ということ

すっかり夏休みモードで更新サボってましたが、NEC軽井沢72トーナメントで一年でスマホの画面を6回割ったド天然若手美人ゴルファー「松田鈴英」プロが最終日猛チャージで優勝争いしてるんですがディレイでしか放映がないのでブログでも更新しようかと思います。

毎度思うことなんですがなんでスカイAとゴルフネットワーク入ってて国内のレギュラーツアー生で観られねーんだよって思うんですが(民放でディレイ放映するのに視聴率下げないためですが)、そんなもんあらかじめCSの生中継と民放の広告枠をセットで販売するルールにしておけば広告主も誰も文句言わねーだろって話です。やっぱりスポーツは生中継で観たいと思いますし、ディレイで放映だと誰が優勝するのか放映時間でほぼわかっちゃうんでこういうところなんとかしないとファンも増えないと思うのですよ。

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松田鈴英選手 (C)ALBA

 

グチはさておきリズムのお話第三弾です。

よく練習場などで最近ゴルフを始めたとおぼしき若者を会社の先輩が指導している情景などにおいて「あー、スイングが速いよ!もっとゆっくり振らないと」という発言を耳にすることがあります。ただPGAの男子プロなんてどう見てもクソ速いスイングしてますし、TGMでも(制御ができている限り)「ヘッドスピードはハンドスピードで決まる」と書いてあるわけですよ。じゃあ「速い」スイングの何が悪いのってお話です。

突然ですがエジプトのピラミッド作りにかり出されたドレイの気持ちになってみましょう(今回もエクセルでの作図の限界に挑戦してお送りします)。

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こういうクソ重たいものを引っ張って運べと言われたら、正常な感覚の持ち主であれば

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こういう事はしないと思うのです。だってこれだとたぶんロープのたるみがなくなった瞬間に

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こうなりますね。なのでやっぱり

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まずはこうしっかりとロープが「たるんでない」ことを確認しまして、じっくりと引っ張っていくのではないかと思います。面白いのは、運動エネルギーという観点でいくと、どう考えても「ツッタカター」の方が「たるんでない」よりも大きいと思うのです。だって速度は出ているわけですから「1/2 x 質量 x 速度の二乗」の運動エネルギーの式に代入すればこっちの方が大きいはずですね。

しかし運動エネルギーのはかないところは、「作用・反作用の法則」の呪縛を受けるという点にあります。すなわちチカラを加えると言うことは、反作用の反撃をくらいますので、圧倒的に陵駕出来るくらいの運動エネルギーでなければ瞬間的に跳ね返されることになります。これが「ビシッ!!」の瞬間ですね。

逆に「たるんでない」の状況ではドレイと石が双方に「作用・反作用」を繰り返しながら引っ張り合っているわけですが、その方が長い時間地面の摩擦とかで得られる作用を加え続けることが出来ることになります。

 

もうおわかりだと思うのですが、ゴルフにおける「速すぎる」の正体は、ストロークにおけるコンポーネントのどこかに「ツッタカター」が発生している状態だと思うわけです。そりゃ速いですよ。だって石に直接チカラを加えないで人間が走ってるだけですから。

例えば下は現在PGA選手権で首位のブルックス・ケプカのアイアン練習ですが

youtu.be

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あたりまえですけどきっちりエクステンサー・アクションが機能してますので、両手は丸っこく降りてくるわけで、とはつまり左腕がしっかりと緩むことなくヘッドを引っ張るように動かしてこられることになります。

しかしもしトップから両手の動く方向が下の図のようになっていたら

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たぶんヘッドは慣性でそこにとどまり続けようとして、アーリーリリースのようにコックがほどけることになるのですが、ヘッドをちゃんと引っ張ってない分両手は速く動かせます。もちろんパワーも正確性も失われると思いますけど。

余談ですけど「腰を切れ」っていうレッスン用語も、よくない「速さ」を生み出しそうな気がする用語であります。まぁ日本人はゴルフに限らずとにかく「腰」の用語が大好きですね。

逆に言えば「たるんでない」状態をキープ出来るならばいくら速くてもいいと思うのです。上のドレイが「たるんでない」状態でダッシュ出来ているような状態です。もちろん相応の筋力なりが必要でしょうけど。

 

「たるんでない」ことをどうやって確認するかということなんですが、ドレイの図で言えば、おそらく左肩のロープが当たってるところの感触とか重さの抵抗を感じることで、「うん、たるんでないな」と確認しているのだと思います。

ゴルフで言えば、TGMの信徒としては知識としては常識なのですが、プレッシャーポイント#3でクラブヘッドラグを感じることでストロークを進行させていくためのリズムを獲得出来ると言うことになります。

www.golfmechanism.com

逆に言えば、その感覚が失われているならばシャンクを含めてありとあらゆるミスショットを作り出せてしまいます。

しかし#3プレッシャーポイントがきちんと機能すればシャフトの性能をフルに引き出す事も出来るはずです。 よって正しいリズムを獲得するには

とにかく右手の人差し指の腹を鍛える

ことを意識して練習するということできっと間違いないのだと思います。

 


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シャンクの原因(その2)

シャンクの原因第二弾です。

 

想像してみましょう。フェアウェイから放った第二打が惜しくもグリーンの手前に止まってしまい、若干逆目のラフから登りのアプローチ。勇気を持って奥のピンになるべく突っ込みつつも上りのラインは残した感じでなんとか寄せてパーを取りたいという状況です。

ここでいろんな考えがアタマをよぎります。

・ライが悪いのできっちりクリーンにコンタクトしたい

・しっかり距離を出しつつスピンを利かせてピンそばに止めたい、もしくは

・しっかりボールの下に入れて柔らかいタッチで上から落として止めたい

とかです。

このようなことを考えていると、脳内に「ボールにしっかりフェースを当てたい」という危険な思想が充満してきます。

何度か素振りを重ね、振り幅は前後50cmくらい。ちょうど良い具合にバウンスがラフをこすっている感触、膝の曲げ具合を意識して、いよいよ打ってみます。

「ペチッ」

という絶望的な感触とともにボールは斜め45°に飛び出してガードバンカーに転がり落ちていく。まず思うのは

「あぅぁ、死にたい」

それから次第に恥ずかしさと怒りと「なんで、どうして?」「練習では出たことないのに」とかいろんな感情がごちゃ混ぜになってバンカーからも脱出できずトリプルボギー。。。

これが恐怖の
アプローチ(近距離ショット)シャンク
です。自分でも書いてて吐き気をもよおすアレです。

 

前回の記事では右のヒップが早い段階でしゃしゃり出てくるために両手の通り道がなくなってハンドアップしてシャフト側でヒットするシャンクを紹介しましたが、今回のようなケースではそもそもそんなにクラブを振ってないからヒップも動いてないし上のケースとは異なるわけで、前後50cmくらいしかヘッド動かしてないのになんで当たらねーんだよふざけんなって話です。

TGMでは「クラブを操ろうとするのはとっても危険なので、両手を操る意識で練習しないとダメよ」と言ってる(5-0-1)わけですが、上のような状況で「うまいことコンタクトしてやろう」と考えると、どうしてもクラブヘッドを操ろうという意識になりがちなわけです。さらに言えば綺麗にフェースを返したいとか余計な願望も出てくるわけです。で、今回はそうなると物理的にどのような現象が起きやすいかという話です。キーワードは「角運動」です。

ウィキペディアの説明は文系の私には理解不能ですので理解出来る人は読んでくださいな。

 

で、角運動が何かというと、要は中心を持って旋回する物体の運動ですね。

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特徴その1:中心から離れるほど質量が増える

上の図でいくと、右の方が回転の中心からの距離が長いので、これを回転運動させるには左よりも大きなチカラ(回転力:トルク)が必要ということになります。

特徴その2:角運動量は保存される

仮に右の長いバージョンで角運動をしている物体が、突如左バージョンの半径の回転に変わると、球体の回転速度が上がります。つまり(ホントはもっと複雑な式だけど)

半径 × 球体の回転速度 は外部からのチカラが加わらない限り一定になります。

 

でこれをゴルフ的に応用するとどういうことが起きるかというと

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左のゴルファーがヘッドを旋回させるのと右のゴルファーが同じ事するのでは、左の方が旋回軸からの回転体の距離が短いので、ラクに回せる(少ないトルクで振れる)ということになります。これはクラブ持ってやってみれば誰でもそうなると思います。極端な話、クラブを思い切りアンコックして(デシャンボーのように)両腕とクラブが一直線みたいな状態だと、フェースのターン・ロールが最も容易になるということになります。

ここで問題になるのは、もし右のような状態でヘッドを旋回させようとするとき、そこに投入しているチカラ(トルク)が、本来必要な角運動量に足りないとしたらどうなるでしょうか?

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コック量を減らして(ハンドアップさせて)回転軸と回転体の距離(半径)を減らそうとする作用が働きます。だって角運動量は保存されているので、そうしないとストロークを進行させることが出来ません。逆に言えば、そういうことが発生しない(もっと遅い)リズムで振れば良いのですが、TGM的な言い方をすれば「クラブヘッド重心の感覚を喪失」してしまうと、その動きを無視したリズムになってしまうということです。

で、ここまでハンドアップさせれば、短いストロークほどヘッドの慣性が少ないのでヘッド軌道も外側に持ち出されてシャンクが完成します!

 

実はこのハンドアップという現象は、プロでもフルショットなるほどある程度は発生していて、ドライバーの動画を後方からよく見るとちょっとは発生しているのですが、ドライバーはそもそもボールと左肩(回転軸)との距離が長いので割合としては少なくなるのと、ヘッドの速度があるために慣性が働いて軌道がズレるのを防いでくれたりするわけで影響が最小化されます。そもそもドライバーはフェースにシャフトがないですし。

 

つまり短い番手で(影響が大きい)、小さめのショットで(角運動量が不足しがち)、きっちり球を上げようとしてしっかりコックなんかしちゃって(コックが解けがち)、そのくせしっかりフェースにコンタクトしようとして(ヘッドを動かす意識になりがち)、しっかりフェースをターンさせようとすれば、

角運動量不足ハンドアップシャンク!!

が出来る可能性が高くなります。

逆に

・なるべく近くに立ち(コック最小限になる)

・なるべくレベルに打ち

・なるべくフェースをターンさせようとせず

・ヘッドではなく両手の軌道を意識する

ようにするとアプローチにおけるシャンクの危険性は減ります。要はこれって

パットの打ち方ですね(笑)

 

ただこれは回避策であって、王道ではないと思います。

TGM信徒としての王道は、プレッシャーポイント#3を通じてヘッドの位置を常に監視下におき、その運動に見合ったリズムでストロークを出来ればヘッドが予想外の軌道になる事はないはずです。その上でスピンを入れたり、柔らかさを出したりということが出来ないとやっぱり困るわけです。

実はリズムの話をしたくてシャンクの話を出したわけですが、次はもっとリズムっぽい考察をしたいと思います。いわゆる「スイングが速い」という表現についてです。

 


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