ザ・ゴルフィングマシーンを勝手に解釈していくよ

ゴルフ史上最大の奇書と言われる「The Golfing Machine」を勝手に翻訳したのちに独自の解釈をしてゆくブログ。そしてゴルフは信仰へ。

スイングが「速い」ということ

すっかり夏休みモードで更新サボってましたが、NEC軽井沢72トーナメントで一年でスマホの画面を6回割ったド天然若手美人ゴルファー「松田鈴英」プロが最終日猛チャージで優勝争いしてるんですがディレイでしか放映がないのでブログでも更新しようかと思います。

毎度思うことなんですがなんでスカイAとゴルフネットワーク入ってて国内のレギュラーツアー生で観られねーんだよって思うんですが(民放でディレイ放映するのに視聴率下げないためですが)、そんなもんあらかじめCSの生中継と民放の広告枠をセットで販売するルールにしておけば広告主も誰も文句言わねーだろって話です。やっぱりスポーツは生中継で観たいと思いますし、ディレイで放映だと誰が優勝するのか放映時間でほぼわかっちゃうんでこういうところなんとかしないとファンも増えないと思うのですよ。

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松田鈴英選手 (C)ALBA

 

グチはさておきリズムのお話第三弾です。

よく練習場などで最近ゴルフを始めたとおぼしき若者を会社の先輩が指導している情景などにおいて「あー、スイングが速いよ!もっとゆっくり振らないと」という発言を耳にすることがあります。ただPGAの男子プロなんてどう見てもクソ速いスイングしてますし、TGMでも(制御ができている限り)「ヘッドスピードはハンドスピードで決まる」と書いてあるわけですよ。じゃあ「速い」スイングの何が悪いのってお話です。

突然ですがエジプトのピラミッド作りにかり出されたドレイの気持ちになってみましょう(今回もエクセルでの作図の限界に挑戦してお送りします)。

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こういうクソ重たいものを引っ張って運べと言われたら、正常な感覚の持ち主であれば

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こういう事はしないと思うのです。だってこれだとたぶんロープのたるみがなくなった瞬間に

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こうなりますね。なのでやっぱり

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まずはこうしっかりとロープが「たるんでない」ことを確認しまして、じっくりと引っ張っていくのではないかと思います。面白いのは、運動エネルギーという観点でいくと、どう考えても「ツッタカター」の方が「たるんでない」よりも大きいと思うのです。だって速度は出ているわけですから「1/2 x 質量 x 速度」の運動エネルギーの式に代入すればこっちの方が大きいはずですね。

しかし運動エネルギーのはかないところは、「作用・反作用の法則」の呪縛を受けるという点にあります。すなわちチカラを加えると言うことは、反作用の反撃をくらいますので、圧倒的に陵駕出来るくらいの運動エネルギーでなければ瞬間的に跳ね返されることになります。これが「ビシッ!!」の瞬間ですね。

逆に「たるんでない」の状況ではドレイと石が双方に「作用・反作用」を繰り返しながら引っ張り合っているわけですが、その方が長い時間地面の摩擦とかで得られる作用を加え続けることが出来ることになります。

 

もうおわかりだと思うのですが、ゴルフにおける「速すぎる」の正体は、ストロークにおけるコンポーネントのどこかに「ツッタカター」が発生している状態だと思うわけです。そりゃ速いですよ。だって石に直接チカラを加えないで人間が走ってるだけですから。

例えば下は現在PGA選手権で首位のブルックス・ケプカのアイアン練習ですが

youtu.be

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あたりまえですけどきっちりエクステンサー・アクションが機能してますので、両手は丸っこく降りてくるわけで、とはつまり左腕がしっかりと緩むことなくヘッドを引っ張るように動かしてこられることになります。

しかしもしトップから両手の動く方向が下の図のようになっていたら

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たぶんヘッドは慣性でそこにとどまり続けようとして、アーリーリリースのようにコックがほどけることになるのですが、ヘッドをちゃんと引っ張ってない分両手は速く動かせます。もちろんパワーも正確性も失われると思いますけど。

余談ですけど「腰を切れ」っていうレッスン用語も、よくない「速さ」を生み出しそうな気がする用語であります。まぁ日本人はゴルフに限らずとにかく「腰」の用語が大好きですね。

逆に言えば「たるんでない」状態をキープ出来るならばいくら速くてもいいと思うのです。上のドレイが「たるんでない」状態でダッシュ出来ているような状態です。もちろん相応の筋力なりが必要でしょうけど。

 

「たるんでない」ことをどうやって確認するかということなんですが、ドレイの図で言えば、おそらく左肩のロープが当たってるところの感触とか重さの抵抗を感じることで、「うん、たるんでないな」と確認しているのだと思います。

ゴルフで言えば、TGMの信徒としては知識としては常識なのですが、プレッシャーポイント#3でクラブヘッドラグを感じることでストロークを進行させていくためのリズムを獲得出来ると言うことになります。

www.golfmechanism.com

逆に言えば、その感覚が失われているならばシャンクを含めてありとあらゆるミスショットを作り出せてしまいます。

しかし#3プレッシャーポイントがきちんと機能すればシャフトの性能をフルに引き出す事も出来るはずです。 よって正しいリズムを獲得するには

とにかく右手の人差し指の腹を鍛える

ことを意識して練習するということできっと間違いないのだと思います。

 


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シャンクの原因(その2)

シャンクの原因第二弾です。

 

想像してみましょう。フェアウェイから放った第二打が惜しくもグリーンの手前に止まってしまい、若干逆目のラフから登りのアプローチ。勇気を持って奥のピンになるべく突っ込みつつも上りのラインは残した感じでなんとか寄せてパーを取りたいという状況です。

ここでいろんな考えがアタマをよぎります。

・ライが悪いのできっちりクリーンにコンタクトしたい

・しっかり距離を出しつつスピンを利かせてピンそばに止めたい、もしくは

・しっかりボールの下に入れて柔らかいタッチで上から落として止めたい

とかです。

このようなことを考えていると、脳内に「ボールにしっかりフェースを当てたい」という危険な思想が充満してきます。

何度か素振りを重ね、振り幅は前後50cmくらい。ちょうど良い具合にバウンスがラフをこすっている感触、膝の曲げ具合を意識して、いよいよ打ってみます。

「ペチッ」

という絶望的な感触とともにボールは斜め45°に飛び出してガードバンカーに転がり落ちていく。まず思うのは

「あぅぁ、死にたい」

それから次第に恥ずかしさと怒りと「なんで、どうして?」「練習では出たことないのに」とかいろんな感情がごちゃ混ぜになってバンカーからも脱出できずトリプルボギー。。。

これが恐怖の
アプローチ(近距離ショット)シャンク
です。自分でも書いてて吐き気をもよおすアレです。

 

前回の記事では右のヒップが早い段階でしゃしゃり出てくるために両手の通り道がなくなってハンドアップしてシャフト側でヒットするシャンクを紹介しましたが、今回のようなケースではそもそもそんなにクラブを振ってないからヒップも動いてないし上のケースとは異なるわけで、前後50cmくらいしかヘッド動かしてないのになんで当たらねーんだよふざけんなって話です。

TGMでは「クラブを操ろうとするのはとっても危険なので、両手を操る意識で練習しないとダメよ」と言ってる(5-0-1)わけですが、上のような状況で「うまいことコンタクトしてやろう」と考えると、どうしてもクラブヘッドを操ろうという意識になりがちなわけです。さらに言えば綺麗にフェースを返したいとか余計な願望も出てくるわけです。で、今回はそうなると物理的にどのような現象が起きやすいかという話です。キーワードは「角運動」です。

ウィキペディアの説明は文系の私には理解不能ですので理解出来る人は読んでくださいな。

 

で、角運動が何かというと、要は中心を持って旋回する物体の運動ですね。

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特徴その1:中心から離れるほど質量が増える

上の図でいくと、右の方が回転の中心からの距離が長いので、これを回転運動させるには左よりも大きなチカラ(回転力:トルク)が必要ということになります。

特徴その2:角運動量は保存される

仮に右の長いバージョンで角運動をしている物体が、突如左バージョンの半径の回転に変わると、球体の回転速度が上がります。つまり(ホントはもっと複雑な式だけど)

半径 × 球体の回転速度 は外部からのチカラが加わらない限り一定になります。

 

でこれをゴルフ的に応用するとどういうことが起きるかというと

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左のゴルファーがヘッドを旋回させるのと右のゴルファーが同じ事するのでは、左の方が旋回軸からの回転体の距離が短いので、ラクに回せる(少ないトルクで振れる)ということになります。これはクラブ持ってやってみれば誰でもそうなると思います。極端な話、クラブを思い切りアンコックして(デシャンボーのように)両腕とクラブが一直線みたいな状態だと、フェースのターン・ロールが最も容易になるということになります。

ここで問題になるのは、もし右のような状態でヘッドを旋回させようとするとき、そこに投入しているチカラ(トルク)が、本来必要な角運動量に足りないとしたらどうなるでしょうか?

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コック量を減らして(ハンドアップさせて)回転軸と回転体の距離(半径)を減らそうとする作用が働きます。だって角運動量は保存されているので、そうしないとストロークを進行させることが出来ません。逆に言えば、そういうことが発生しない(もっと遅い)リズムで振れば良いのですが、TGM的な言い方をすれば「クラブヘッド重心の感覚を喪失」してしまうと、その動きを無視したリズムになってしまうということです。

で、ここまでハンドアップさせれば、短いストロークほどヘッドの慣性が少ないのでヘッド軌道も外側に持ち出されてシャンクが完成します!

 

実はこのハンドアップという現象は、プロでもフルショットなるほどある程度は発生していて、ドライバーの動画を後方からよく見るとちょっとは発生しているのですが、ドライバーはそもそもボールと左肩(回転軸)との距離が長いので割合としては少なくなるのと、ヘッドの速度があるために慣性が働いて軌道がズレるのを防いでくれたりするわけで影響が最小化されます。そもそもドライバーはフェースにシャフトがないですし。

 

つまり短い番手で(影響が大きい)、小さめのショットで(角運動量が不足しがち)、きっちり球を上げようとしてしっかりコックなんかしちゃって(コックが解けがち)、そのくせしっかりフェースにコンタクトしようとして(ヘッドを動かす意識になりがち)、しっかりフェースをターンさせようとすれば、

角運動量不足ハンドアップシャンク!!

が出来る可能性が高くなります。

逆に

・なるべく近くに立ち(コック最小限になる)

・なるべくレベルに打ち

・なるべくフェースをターンさせようとせず

・ヘッドではなく両手の軌道を意識する

ようにするとアプローチにおけるシャンクの危険性は減ります。要はこれって

パットの打ち方ですね(笑)

 

ただこれは回避策であって、王道ではないと思います。

TGM信徒としての王道は、プレッシャーポイント#3を通じてヘッドの位置を常に監視下におき、その運動に見合ったリズムでストロークを出来ればヘッドが予想外の軌道になる事はないはずです。その上でスピンを入れたり、柔らかさを出したりということが出来ないとやっぱり困るわけです。

実はリズムの話をしたくてシャンクの話を出したわけですが、次はもっとリズムっぽい考察をしたいと思います。いわゆる「スイングが速い」という表現についてです。

 


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シャンクの原因(その1)

やっとワールドカップも終わって一息付けると思いきや全英オープンが始まりますのでなんとも忙しいのは相変わらずですが、そんな中日曜日にサマンサタバサレディースの観戦に行っておりました。

松田鈴英選手の応援でしたが、この選手不思議なのは

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(C)ALBA 写真はアースモンダミンカップ時 

練習グリーンではまったくクロウグリップ練習しないのに本番ではクロウで打つ

けっこう長いパットもクロウで打つ

パッティングでもグローブは外さない

パットの時素振りはノーマルグリップで、実際打つときは右手クロウにして左手のグリップも若干変化する

この日ショットがしっくり来てなくて左手一本フィニッシュが多いのだけどそれほど曲がらない(というかPAR3ではそれで3mくらいに寄っててバーディ)→松山秀樹?

 

一番不思議だったのがですね、この選手

去年より背が伸びてるんでないか?

ということでした。172cmくらいありそうなんですが。

まぁまだハタチなんでそういうこともあるのかも知れませんが、もともと体幹も強そうで下半身もしっかりしてて飛距離も出るので、いろんな意味で伸びしろがある選手だと感じました。

この日は前半3ボギーで後半3バーディと盛り返しました。たぶん本人の中では調子も良くなかったとは思うのですがクソ暑い中三日間存在感を示せた事を自信につなげて欲しいですね。

 

で今回はシャンクのお話です。

告白しますと、私はシャンク野郎でした。

まぁ経験のある方は思い出すだけで吐き気がすると思うのですが、特にアプローチでシャンクして右45°の方向に飛び出してバンカー入ったりしたときは本当に死にたくなるアレです。

で、今回はシャンクの原因を私自身の経験とTGM的考察を交えて考えていこうと思うのですが、なんで本記事のカテゴリーが「リズム」なのかと申しますと、TGM的には「そういう大惨事が起きるときは必ずリズムの崩壊が起きている」としているわけです。逆に言えばリズムがしっかりとキープされていればそこまでひどいミスショットは出ないということになります。

リズムとテンポの違い

まずリズムとテンポという二つの言葉の定義です。おそらくこれは音楽の世界でも同じ用法ではないかと思います。

リズムは、要するに「何拍子か」ということです。

「わん、ぁつぅー、ワン、ツー、スリー、フォー」は四拍子ですし

「ずんっ、ちゃっ、ちゃー、ずんっ、ちゃっ、ちゃー」は三拍子です。

かの有名な「チャー、シュー、メンッ」は三拍子です。

「アイ、ヤー」で打てるなら二拍子ですね。

松山秀樹選手などは打つ前に何度か小刻みにソールするような仕草をしてからバックスイングしますので、もしかすると八拍子くらいのリズムなのかも知れません。

重要なことは、各コンポーネントは連動あるいは連携、連鎖して動作しますので、リズムの指揮のもと、各拍子でそれぞれのコンポーネントがどのような状態になっているかを管理しながらストロークを構築しなければならないということと、本番ではそのリズムを刻むだけで正しい動作が出来るようになるまで練習すると言うことです。

で、テンポというのはそのリズムの速さです。

「チャッ、シュッ、メンッ!」と早いテンポで打つと、同じ三拍子でも各コンポーネントを速く動かさないといけないことになります。

 

シャンクの定義

シャンクは右方向に球が出ますので開いたフェースが戻ってこないために起きると錯覚しがちですが(そういう人は64°のウェッジとかを持って開かずに使います)シャンクとはあくまで

シャフトでボールをヒットしてしまう現象です。

フェースを開くこととシャンクは直接関係がありません。

なぜそのようなことが起きるのかと言えば、クラブヘッドが想定より外側を通るからですが、そうなってしまうのは両手の通り道が何らかの事情によって想定より外側を通って来るからであります。なぜ両手の通り道が外側になってしまうのかは大きく以下二つの原因があると思います。ヒップターンが早すぎることで両手の通り道が阻害されるためにハンドアップして起きるシャンクと、もう一つはやや複雑なメカニズムで発生する角運動量不足シャンクです。

 

ヒップターン早すぎシャンク

これしばしば日本人選手(特に女子)と海外選手の大きな違いだと思うところなんですけど、総じて日本人選手は海外選手に比べてヒップターンが早め多めです。

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これだけヒップターンが早いと本来両手の通り道がなくなってハンドアップしてしまうわけで、これがアマチュアが(特にフルショトで)冒しやすいシャンクの原因の一つではないかと思います。具体的にはダウンで右膝がこらえきれなくなって前に出てきてしまうために「右のヒップをクリア」出来なくなってしまう状況です。

さすがにプロは子供の時からやっているので、感覚的なのか意図的なのかはわかりませんが、手の通り道を塞がないようにアドレス時よりも身体を外側に持ち出して(上の図の赤矢印)両手のルートを確保しています。ただこれをアマチュアがマネするのは相当に練習が必要だと思いますし、そのメリットがよく分かりません。

下の選手はそもそもヒップがインパクトまでにそんなに前に出てきませんので、完全に軸をずらさないまま両手が振り抜けています。どう幾何学的、物理的に考えてもこの方がロスが少ないと思います。

早い話が、シンプルに「両手が身体の前を通り抜けるまで右膝や右股関節でふんばってヒップターンを遅らせる」ことで、フルショットに関してはほぼシャンクを回避できるのではないかと思います。

 

「ボディは回すが上体は残して、捻転差をつくることで飛距離が出る」という理屈をよく「日本の」書籍やサイトで見かけるのですが、海外では誰もそんな難しいこと言っていないのではないかと思うのですね(もしかするとジム・マクリーンさんあたりは言ってるかも知れません。私が読まないだけで)。単純に軸を固定して腕を振る方が飛んで曲がらないはずだと思うのですね。

 

で、問題はヒップターンなどほとんど必要ない短い距離でも発動するシャンクです。長くなりましたので次回に。

 


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「ステイショナリーヘッド」ということ

サッカーワールドカップで日本は惜しくもベスト16で敗れて少し生活も落ち着いたような気がするわけですが、今回いろいろ新しいと思ったのは

・特に絶対的中心となる選手の存在がなかったこと

・極めて冷徹に戦術的に決勝トーナメント進出を決めたこと

・なんかクリアっぽいボールがやけに前線に収まったこと

・決勝トーナメント一回戦で2-0という局面を迎えたこと

などでして、最後の2-0という局面はかなり予想外だったためにその瞬間のみ戦術の意思疎通が薄れてしまったように感じましたが、総じて「組織力」で導いた結果ではなかったかと思います。陸上の400mリレーとかもそうですが、個人個人はみんな10秒台でもなぜかバトンパスとかの巧さでメダル獲っちゃうみたいな感じでした。

 

で、この意思疎通とか共通意識とかの土台となるのは、やはり言語空間を選手一人一人が共有していると言うことが大事ではないかと思います。サッカーではJFA主導のもと、この言語(用語)の共通化ということを非常に丁寧にやって来ましたし、選手指導においても細かい資格のヒエラルキーを作って海外のメソッドを一生懸命輸入してきたわけです。もともと日本人というのは世界でまれに見る純度の単一民族・単一言語国家であるが故に、言語の共通化に関しては鈍感(だってそこまでしなくても空気でわかっちゃうから)な民族と言えます。なので言語の意味を定義すると言うことに関してはあまり神経質な民族ではないわけです。そしてこのことが日本のスポーツ指導においても様々な用語やメソッドが氾濫している原因ではないかと思うのですが、サッカーは国際的に見て後進国であったが故に言語共通化がかなり進んだというのが日本がある程度の成績を残して来れている理由ではないかと思います。

一方野球やゴルフは日本での歴史は長いですが、けっこう意味の不明瞭な言語が存在するわりにサッカーではあり得ないレベルの世界的スーパースターレベルの選手を輩出しておりますので一概に言語の共通化が絶対かと言うとそうでもないという意見もあるとは思いますが、少なくともゴルフに関して言えば平均的に見れば男女とも韓国に負けていると思うのですね。日本と韓国でライダーカップやったら負けちゃうよねと。もう体格とかそんなに違うとは思えないし(サッカーの対セネガルとかの体格差より絶対少ないし)ましてゴルフなんて後ろからタックルとかされないわけですから。

で、TGMというのはその言語共通化に関しては(それが完全にスタンダードになっているかは別として)非常に意識の高い書物であると思いますので、こんなブログもいつか何かの役に立てば良いなぁと少しは思っております。

 

で、そのためにはTGMに書いてあることを日本人として理解出来るようにしなければならないわけですが、その際日本語に翻訳をするのか英語そのままでいくのか非常に悩ましい単語があるわけです。「セイニュウ」というオランダ語を「神経」と訳すような所行はもはや「造語」の世界ですので、それがムリならもとの言葉そのままで行こうかと思う訳です。

 

代表的なのは「Force」です。ブログ内では「チカラ」とか「作用」とか訳してますけど「Force」には「軍隊」という意味もありますし、「作用」じゃいかにも弱すぎるよなと思うわけで、なら「フォース」でいいじゃんとか思うのです。

で、前置きが長くなりましたが「Stationary」です。「ステイショナリーヘッド」は「三つの基本的本質」の一つなので、この解釈が曖昧だととってもまずいと思うのですけど、この単語とてもやっかいなのです。

eow.alc.co.jp

まず最初に「文房具」のステイショナリーは「Stationery」でスペル違うので混同されないように。

で、意味としては「動かない」「動かせない」「安定した」とかあるのですけど、これをそのまま捉えれば「ステイショナリーヘッド」という言葉は「アタマを動かさない」という意味にも取れるわけで(その辺を見てジム・マクリーンさんとかは「TGMはクソだ」とおっしゃるわけですが)、なんかしっくり来ないのでブログでは「静的な」とかなんじゃそりゃな日本語でごまかしてきたわけです。でもこの言葉の用例を見ていくとそういうことじゃないよねと。

動かない、微動だにしない、不動みたいのはたぶん「immovable」とかで「Stationary」の用法みていくと

・船がつながれている状態は「Stationary」

・北極星は地球からみてその位置が「Stationary」

・この都市の人口は安定的「Stationary」に推移している

・患者の容態は安定「Stationary」している

・この遊具は公園に備え付け「Stationary」の遊具だ

・定点「Stationary」観測

みたいな感じなので、必ずしもカチコチに凝固した不動な状態ではないと言うことです。なのでTGMで「『ステイショナリーヘッド』が本質的に重要=アタマを動かすなと言っている」わけではないと思うのです。

以下の記事を見ても

www.golfmechanism.com

「アタマがピボットの中心であることが望ましいが必須ではない」みたいなこと言ってます。そして背骨と両肩の交差するところがショルダーターンの中心であるとは言っています。この間の写真の松山君に一本線を足したものが以下です。

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アドレスの両肩の線と黄色い線の交差地点がほぼ背骨と両肩の交差点で、それがショルダーターンの中心だということですが、これはどのプロの連続写真でも必ずこうなります。言い換えれば「プロ(上級者)は必ずショルダーターンの回転軸(中心)が安定している」となります。

そしてどのプロの写真を見ても、頭部は(ちょっと後方に)動いていますし、その動作がどんだけ少ないケースでも顔の向きくらいは変わっています。よって「頭は動いている」と言えます。

なので「ステイショナリーヘッド」によって達成されたいことは

・インパクト周辺環境の定点観測(本カテゴリーの記事参照)

・ショルダーターン軸の安定化

・(結果として)スイングプレーンの安定化

ではないかと思います。

じゃあなんで「ステイショナリー『ヘッド』」ってしたのかということですが、上記の目的を達成するためには、頭部の重量と、地面を見ている目線を上手く使えということだと思います。

「ショルダーターンの軸を安定させろ」という指示よりも「アタマはストローク中そんな激しく動かすものではない」の方が伝わりやすいと言うことではないかと思います。

ということで「ステイショナリー」の意味がある程度定義出来そうなので今後「ステイショナリー」はそのまま「ステイショナリー」で行きます。

あーめんど。


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「ボールを見る」ということ(その2)

サッカーワールドカップは日本が二戦で勝ち点4という予想外の健闘を見せているために寝不足気味ではございますが、TGM信徒としての日々のおつとめとして今日も頑張って記事を更新して参ります。

 

さて前回の記事では、「ものを見る」と言うことに関しては、主に「追いかけ型」と「監視型」の二つの見方があるのではないかということと、TGMの内容を見る限りゴルフで必要なのは「監視型」の見方を使うのが望ましいのではないかということを書きました。

この二つの「見る方法」についてはいずれも「動体視力」なる文言の説明も読んではみたわけですが、今ひとつ論理的な研究が進んでいない分野のように見えますので私なりの表現で進めさせていただいております。

 

で、前回の「仮説」をもとに、今回は有名プロのスイング動画をキャプチャーしまして、プロが「何を見ている」のかを検証しようと思います。本来そのプロが「何をみているのか」は本人に聞いてみないとわかりませんし、実は目をつぶって打っているプロもいるかもしれませんので確証はございませんが、姿勢や顔の向きである程度の傾向がつかめるのではないかという試みでございます。

トッププロの姿勢と顔の向き

以下のはすべてゴルフダイジェスト様のスイング動画をキャプチャーして作成いたしました。

黄色い線はアドレス時の両脚の真ん中と頭頂部を結んだ線で、オレンジ色の矢印は各時点での頭頂部とキャップのツバの真ん中を貫通させた線になります。オレンジの線が想定される顔の向きということになりますが、当然眼球を動かせば顔の向きとは違う方向を見ることは出来ますので、オレンジ方向を見ているとは限りませんのであくまで目安ということになります。

タイミングとしては左から、アドレス、トップ、インパクト、フォロースルー時点になります。

タイガーウッズ

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ジョーダンスピース

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ダスティン・ジョンソン

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ブライソン・デシャンボー

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ローリー・マキロイ

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松山秀樹

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共通点

まぁ程度の差はあるとは思うのですが

・トップからフォローまでアタマは黄色い線の左側に位置する。

・フォローまで顔は地面方向に向いている

・トップで顔の向きは右足前方向に向く。

「それがステイ・ビハインド・ザ・ボールってヤツさ!」

よく言われるこの言葉ですけど、実はそれって黄色い線より左側にアタマを置いておければ達成で、顔の向きは関係ないじゃんって思うんですね。つまりオレンジの線がクラブヘッドを追いかけるように廻ってしまっても、ストロークの構造上は大きな問題にならないと思うわけです。つまり軸だの前傾だのをキープするという目的は、顔の向きを動かしても達成できるはずだと思うのですね。

では上記プロ達にはオレンジの矢印の向こうに何が見えているのかって話です。

 

結論「見るということ」

TGMの内容と統合して考えると、こういうことを監視しているのではないかと。

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1. ワッグル時点でヘッド軌道とトップの両手の位置を確認

2. トップでエイミングポイント(両手を落とす位置)を確認

3. 感覚で両手がエイミングポイントとアドレス時点の位置に戻ってくるのを意識

4. 地面方向にカメラの位置を固定したままヘッドが想定通りの軌道に抜けるのを確認

5. これらが全体的にバランス維持したまま出来てればナイスショット

このときボールはあくまで監視している画像がぶれていないことの目印にはなっているとしても、ボール(もしくはヘッド)を追いかけるように見てはいなくて、あくまで全体画像を監視するように見ているのではないかと思います。

上記はあくまで私の仮説ですが、練習でこういうことを都度確認しながらショットするのと、何も考えずにショットするのではどちらが上達するのだろうと言うことです。上級者になれば完全に「手の教育」が完了しているので、「上げて下ろす」「ボディーをターンするだけ」で打てるのかも知れませんが、後学のゴルファーが上記のようなことを意識することは非常に大きな意味を持つと思うのですね。

 

状況証拠だけを見れば、トッププロは全員「フォロースルーまで地面方向に顔を向けている」ということは確定だと思うのですが、この事を達成するための意識として、「マンブリしても顔を残す」と考えるのか、「強振するときほど全体のバランスをしっかり監視する」と考えるのかで大きな違いが出るのではないかと思います。たぶん前者は首を痛めるのではないかと思います。

そんな事を考えながら練習場に行ってフォローまでしっかり地面方向を見ている人ってどれくらいいるのかなと思ってカウントしましたところ、

30人中1人でした。

その一人も中学生くらいの女の子でしたので、まぁ、玄人もしくはそれを目指す人ですよね。要するにシロートは「監視」なんか出来ちゃいないってことです。

で、私は信徒として上記を意識して練習しているわけですが、要するにこの「監視」が出来る頭部の状態が「ステイショナリーヘッド」なのではないかと思うようになったわけです。次回に続きます。

 


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