ザ・ゴルフィングマシーンを勝手に解釈していくよ

ゴルフ史上最大の奇書と言われる「The Golfing Machine」を勝手に翻訳したのちに独自の解釈をしてゆくブログ。そしてゴルフは信仰へ。とりあえず日本語版の紙本製作まで終わったので今は新たに「Search for the Perfect Swing」を勝手に翻訳中。ゴルフ界の青空文庫を作れたらいいなぁ。

第二章 ゴルファーは二重振り子である(その4)

告知っす!

明日から3日間パシフィコ横浜で開催されます2019ジャパンゴルフフェアでは

www.japangolffair.com

例年「PCM」のユニバーサルゴルフ社が地クラブメーカー多数と共同で「コンポーネントコーナー」として展示を行っておりまして

www.pcm-lab.com

そこで今年度バージョンの用品カタログも発売になりますが....

 

その脇っちょで

 

その世界のほんの片隅で...

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コイツも販売させていただくことになりました。絶対売れないので限定5部です。JGF特典として専用カバーを付けさせていただいてます(それだけかい)。

TGM日本語版を手にとって冷やかすことができるのはこの機会しかないです。何しろ日本にまだ30部も存在していない絶滅危惧種的な書籍なもんで。JGFにお越しの際は是非ユニバーサルゴルフの「コンポーネントコーナー」に立ち読みにお立ち寄りください!

 

前回続き

図2:3ではなぜこのような事が起きるのかを説明している。この作用は、物理学の法則としてよく知られている「角運動量保存の法則」が発生している好事例であるのだ。

 

今回ココカラ。

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図2:3 下方のレバーの速度が上昇すると上方のレバーが減速する理由。上の図のように、2レバーのシステムが緑色の円盤状の平面に横たわっている状態(まだこの円盤は回転していない)を「太い実線」のものとして考えてみよう。ここで何らかの作用によって先端が引っ張られると、ヒンジ部分は角度が拡がって後方に引っ張られることがわかる。ここでこの円盤が白い矢印の方向に回転を始めるとする。先端には遠心力で外側に引っ張られる作用が発生し(点線の状態)、システム全体としては白い方向に回転しつつも、ヒンジはやはり拡がって後方に移動する。よって相対的には上方のレバーは円盤の回転速度より減速し、下方のレバーは円盤よりも加速する。

 

軸を固定した状態の2レバーシステム全体で、トップまでに作りだされるスイングのエネルギー総量の大部分は最終的には下方のレバーの先端の速度を増幅させることにつなげられていく。

 

よってこのような、中央のヒンジでつなげられた2レバーのシステムが固定された軸を中心に1プレーン上をスイングされる場合、1レバーのシステムよりも遥かに効率的にエネルギーを創出させることが出来る事は明らかである。この結果、理論上では、スイング全体で作り出されるエネルギーのおよそ4/5がインパクトにおけるクラブヘッドに投入されることが可能であり、1レバーの状態で振り出されるシステムに同じエネルギーを投入した場合に比べておよそ2倍もの速度でクラブヘッドを移動させることが可能になる。

 

上級者のゴルファーを見ればこのような作用が起きていることは明らかではあるものの、この現象にたどり着くことは純粋に科学的な見地からも、以降の研究を進めていく上での必須の条件と言えるのである。

 

原則論的アプローチによって導き出された最初の「良いスイング」の元もシンプルな骨組みは、固定された中心軸を持つスイングであり、そのスイングは同一プレーン上で行われており、両手の先端が同一プレーン上でヒンジの役割を果たしている状態であり、両手それ自体の筋力を必要としないスイングなのである。

 

より原則論的なこと:リズム、タイミング、「ヒットレート」

もし両手が自由なヒンジのように機能する際、そのヒンジ自体が何らかのパワーを加えているわけではないのだとしたら、このシステムは大昔に発明された「から竿」とほとんど同じようなものであることに気づく。しかし重要なことは、このヒンジが、スイング全体で作り出されるエネルギーの内、どれだけ多くの部分をロスなくクラブヘッドに伝えられるのかということである。

 

このことに関心を持つことは、このシステムが機能することをさらに現実的なものにするはずである。そして現実の上級者のゴルファーに起きていることを想起させる。

 

第一のポイントはこのような軸を固定された「から竿」のシステムでは「適切なタイミング」でそれぞれが動作する必要があるということで、これが最大限効率的に打撃と方向性の確保を行う事でインパクトにおいてクラブヘッドに投入されるエネルギーの量が最大になるはずである。

 

この極めて伝統的なコンセプトである「タイミング」という概念は科学的原則からも極めて重要なものである。もしこの制御が機能していなければ、下方のレバー(クラブ)は速すぎるタイミングで速度が上昇し、インパクトに達するよりも前に最高速度に達してしまう。よってこれを回避するにはバックスイングの初期において、下方のレバーは上方のレバーよりも遅れた状態でスタートすることが必要になるかもしれない。しかしこれを行うと、クラブヘッドが円運動の外側に振り出されるタイミングが遅れ、スイングの後半まで保持される形となり、インパクトのまさにその瞬間、いやそのわずかに直前に最高速度に達することになるかも知れない。「ヒッティングレート」はもう一つのゴルフ指導における伝統的なワードである。

 

もう一つのヒンジ

ここでもう一つ考えなければいけないことは、もしヒンジの存在で効率化が達成されるならば、ヒンジをもう一つ追加して3レバーのシステムにした場合、果たしてそれは機能するのかという問題である。

 

答えはイエスである。二つ目のヒンジが追加されることで理論上クラブヘッドに投入されるエネルギーの量は増えるはずである。しかしその量は極めて微量であり、二つのヒンジを最適なタイミングで機能させようとして同時に操作を行う事は「タイミング」を制御することへのリスクにつながる。このシステムでは実際には、クラブヘッドスピードの増加によるメリット以上に正確性の喪失というデメリットが大きくなる。我々の初期の分析が示す通り、クラブヘッドスピードとは打撃と再現性の正確さがなければ使い物にはならないのである。

 

このことは、左肘を曲げるメソッド(これによってヒンジを追加している)が多くのプレイヤーにとってそれほど良好な結果をもたらしていないことの一つの理由である。ハリー・バードンがこの方法を提唱し、四回のオープンチャンピオンになり、その時代の最高の正確性をそのドライビングに有していたとしてもである。

 

ここでもう一つ理解しておかねばならないのは、我々はそのような働きをするものを既に持っていると言うことである。すなわちシャフトのキックである。もしシャフトのしなりが一点で発生しているとすれば(もちろん現実にはそんな事は起きていないが)、ダウンスイングの初期ではクラブヘッドはこのポイントから後方に屈曲し、そこで一定のエネルギーを保持した後、両手のアクションよりも遅れてリリースされることを想像してみよう。実はこうした事は既にクラブで発生しているのであり、単にそれが一点ではなくシャフト全体のしなりで達成されているというだけである。

 

この追加のリリース反応は、両手の速度の減少をもたらしクラブヘッドが外側に振り出される動作における運動量の伝達に幾ばくかの貢献をしているはずである。どんなシャフトであっても、この保持したエネルギーがリリースされる際の遅れで生じる「たわみ」は観測されるものであり、これが一般に飛距離の少ないスイングスピードの遅いプレイヤーにとってこうした「しなる」シャフトは、ハードヒッターに対してよりも有益性が高いとされる理由である。しかしここで得られる効果は、非常に微量である(第32章を参照のこと)。

 

ここまでのところで原則的な視点からの機械的システムに関する考察が、機能的なゴルフスイングを構成することに有益であると言うことが明らかになってきた。ここで想定しているモデルをシンプルに機械的な用語で総括すれば「二つの回転軸の組み合わせで作られた二重の振り子構造」ということになる。

 

このシステムを「モデル」として今後のスイング研究に進む前に、科学者にとっての「モデル」がどのような意味を持つものであるのかを定義しておきたい。

 

世界で一番くどい二重振り子=ゴルフの説明はまだ続きます。たぶん次でラストです。

第二章 ゴルファーは二重振り子である(その3)

やっと春本番、国内女子ツアーも開幕です。

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我らが天然焼き肉女子(?)の松田鈴英選手は初日首位発信、その後も悪天候のなか最後まで上位でふんばり再び最終日最終組で廻りましたが惜しくも今回は初優勝なりませんでした。いいんですよ。飛ばしてパーオンしてれば5回に1回くらいバーディとれますから。デシャンボーメンタルで頑張っていただきたいものです。

にしても腕と脚が去年より二回りくらいたくましくなっています。たぶん普通の体調であれば予選落ちは少ないと思うので毎週3日~4日競技というスケジュールの中で、しっかり体重や体調を管理しながらスケジュールをマネジメントしていくことも今年の課題になるのでしょうね。

 

そして先週、私はフィリピンはセブ島に行って参りました!初海外ゴルフです。

想像を遥かに超えて

・メシがウマイ

・物価が安い(ゴルフは安くない)

・気候がさわやか(虫がいない)

・英語がキレイ(ほぼ違和感なく通じます)

・清潔

・人々が活気に満ちていて人当たりがとてもいい

などなど感想は書ききれない位あるのですが、小出しにセブ島ゴルフ他の魅力をお伝えして行ければと思います。長期滞在すればするほど国内旅行より安くなります。

では何の脈絡もなくSPSの続きです。

 

 二本のスポークが同じ中心の周りを同じ角速度でスイングされる代わりに、手首がヒンジとして機能することで、少なくとも理論上は、上方のスポーク(ここでは両腕を指す)が、インパクトに際して下方のスポーク(ここではクラブを指すが、非常に簡略化されたメカニズムであるため実際のゴルファーのクラブとは状況が異なるのだが)に最大限のパワーを伝達することが可能になるのである。

 

 ここで我々は、二つのレバーの中央がヒンジになっている2レバーのシステムに到達した。「上方のレバー」と我々が呼ぶものは大まかに言ってゴルファーの両肩および両腕に相当し、「下方のレバー」はクラブに相当し、それらの中央に位置する「ヒンジ」と呼ばれるものはゴルファーの両手もしくは両手首に相当する。

 このヒンジは「自由に」可動するが、二つの特徴を有している。一つ目は、このヒンジはあくまでも同一プレーン上を可動するということであり、これによって上方のレバーはトップ(とはおおまかにゴルファーの上胸の中央付近となる)において固定された回転軸に沿ってスイングされることとなる。第二に、このヒンジはいずれの方向にも90°以上の曲がり角度にならないようにする、備え付けのストッパーが内蔵されている。このことは実際のゴルファーがトップ(もしくはそれ以外のどのような状況でも)その手首を甲側には90°以上曲げられないことに対応している。これ以降、この2レバーシステムについて考察を進める際は、常にこのストッパーが存在しているものとして考えるようにして欲しい。

 

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2:2 上図は2レバーシステムを二つのポジションから比較したものである。このようなモデルでは、上級者のゴルファーが行っているのと非常によく似た効率的なスイングを行う事が可能である。「固定された回転軸(Fixed Pivot)」はゴルファーの両肩の間に位置し、一つのプレーン上で可動するように「フィックス」されており、このことは上方のレバーに相当する両肩と両腕がこの固定された回転軸によって保たれたプレーン上でスイングされることを意味している。また下方のレバー(クラブ)はヒンジ(両手首)を中心としてスイングされる。ストッパーは二つのレバーがジャックナイフのように折りたたまれてしまうのを回避するためのややしなやかな素材で出来ているクサビのようなものと考えて欲しい。このストッパーはゴルファーがその手首を甲側には90°以上曲げられないことを表している。

 

 このシステムは実際にはどの程度精密に動作をするのだろうか。一般的なゴルファーのバックスイングのトップに相当するポジションから、この二つのレバーを始動させる場合、下方のレバーは上方のレバーより90°ほど折れ曲がって後方に位置し、ここからシステム全体を上方レバーが固定されている軸のプレーンに沿ってスイングをしたとき、発生する事象は以下である。

 

 ストッパーがジャックナイフ状に折りたたまれることを回避しつつ、90°程度に最大限折り曲げられた状態を保持し、上方のレバーのスイングが開始されたとしても下方のレバーはその角度を維持したまま追従して動く。

 しかしスイングが開始してまもなく、遠心力が下方のレバーを外側に放り投げる作用が働き、上方のレバーに追いつこうとする動作が発生する。その間上方のレバーから発生する運動量が効率的に下方のレバーに伝達され、その運動量はとりわけ最も先端の部分、すなわち実際のゴルファーで言えばクラブヘッドの部分に伝達されることとなる。

 

 二つのレバーの間に発生している反応としては、このプロセスは、下方のレバーが外側に振り出されてその速度を増している間に、上方のレバーを自動的に減速させる作用を発生させる。

 

 図2:3ではなぜこのような事が起きるのかを説明している。この作用は、物理学の法則としてよく知られている「角運動量保存の法則」が発生している好事例であるのだ。

 

TGM的な説明を読みたい方は以下の記事もどうぞ。読みづらいけど。

www.golfmechanism.com

 

第二章 ゴルファーは二重振り子である(その2)

えっと、突然ですけど本日より三泊でセブ島に行って参ります。TGMが売れたから浮かれて遊びに行くのもあるけどセブのゴルフというものをしっかりと体験取材してきたいと思います。詳細はこちらのブログもしくはPCMさんのサイト他で報告させていただく予定です!

ちなみに先月の「ゴルフをする機械」は2人の方にご購入いただきました。これで累計販売部数は17冊になりました。調子に乗って3月22日(金)〜24日(日)の三日間で開催れるジャパンゴルフフェアでもひっそりと販売させていただく予定です。入場無料ですのでご興味のある方は是非ご来場をお待ちしております。

www.japangolffair.com

 

前回の続き:スイングの原則論

良いゴルフスイングには以下三つが必須である。

スピード

正確性

再現性

 

 まず再現性を高めるという目的において、スイングはシンプルなものであることが求められる。たとえばスイングごとにその手法が変わるといった、全てのヒューマンエラーの原因となりうる要素は可能な限り最小限にすべきである。また同様の理由で、あまりにも複雑な動作が必要なスイングフォームも避けるべきと言える。

 

 では、最も可能な限りシンプルな動作とはどういったものであろうか?純粋に機械的な見地から考えれば、それは真っ直ぐに動く動作である。しかし人体の構造を考えれば、それは決まった長さのレバー(骨のこと)が、可動方向が決まっている場合もあればそうでもない場合もある特定のポイント(関節)を中心として旋回している構造物の集合体であり、必ずしも常に直線的な動作を行う事に適した構造というわけではないことがわかる。よってクラブヘッドが直線的にスイングされるということは全くシンプルではないばかりか、それを行うためには非常に複雑な関節、骨、筋肉の動作によって補われなければならないことになる。

 

 一方で、もし関節の可動方向を固定化することが出来るならば、「長さの決まったレバー」(そしてクラブもその一つである)を使って、円軌道の動作を行う事が出来るとも考えられる。たとえば、肘をテーブルの上に置いて、その肘の位置を固定した状態で下碗をテーブルの上で動かせば円状の動作になる。純粋に機械的な見地から考えれば、円運動というのは直線的な運動の次に最もシンプルな運動と言える。

 

 実施のスイングを行おうとしているプレイヤーを観察する前に、そのプレイヤーに備わっているもの、あるいは組み立てられるものを想像して、「彼に可能な動作の中で、最もシンプルな円運動はどのようなものになるだろうか?」と考えてみて欲しい。

 明白な回答は以下の二つである。

 

(a)手首を中心としたクラブのスイング

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このブログのマニアにはお分かりの通り、これはTGMで言うところの「セカンダリーレバーアッセンブリー」ですね。

 

(b)ボディを中心とした堅固なスポークのような、両腕とクラブを一体化させたスイング

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そしてこれはTGMで言うところの「プライマリーリーレバーアッセンブリー」ですね。

 

 しかしいずれのスイングも、現実的なスイングとしては不十分である。(a)のスイングでは手首および両手を中心として両腕の筋力のみを使用してスイングを行う事になるため、その潜在的なフルパワーを発生させる事は不可能であり、必要とする飛距離を得られないという点で不十分である。

 (b)も不十分と言わざるを得ない。このように手首を可動させることなく両腕とクラブを一体化させてスイングすることは、実際にそのゴルファーのボディから得られる最大限のパワーを使用することにはなる。しかしこうしたスポーク固定型のスイングを機械的に分析すると、このゴルファーがインパクトにむけてクラブヘッドを送り込む際のエネルギーは、両脚やボディから得られる潜在的に最大となるエネルギーの四分の一以下にしかならず、実際には両腕および両手のみによって作られるエネルギーと大差ない。

 

 またこのような方法でボールを打撃することはボディの周りの全てのスポーク、すなわち両肩、両腕、グリップ、シャフト、クラブヘッドの全てを同じ角速度で動かす事が必要となる。この場合、ボディの上部を動かすために多大なエネルギーが必要となる一方、クラブヘッドにそれほどのパワーが加えられるわけではない。現実的には、このゴルファーがツアープレイヤーと同じような速度でクラブヘッドをスイングすることは到底不可能である。

 

 さらに言えば、このクラブと腕を一体化させて動かす固定式スポーク型ホイールスイングは、理論上ではシンプルなスイングを達成出来るように感じられるが、現実的にはそれほどシンプルなものにはならない。そもそも手首というのは固定された間接ではなく、クラブをこのような方法でスイングしようとすれば、固定するための余分な力が必要になる。

 

両手、両手首によって原則的に重要なこと

 

 「シンプルな円運動を行うには」という最初の設問に対する、明白かつ機械的に正しい二つの答えのいずれも、人体がゴルフにおいて最も効率的にクラブヘッドをスイングする方法を指し示したものにはならなかった。しかしながら、既に多くのゴルファーがお気づきの通り、二つの最もシンプルなスイングの方法は、ある一つの複雑性、すなわち双方を組み合わせことで、現実のゴルファー達が行っているスイングにフィットさせることが出来る。

 

 ここで、強固な二本のスポークである、腕とクラブの中間に存在する手首を、自由に可動するヒンジのようなものとして考えてみることにする。

 これによって、我々が直面する機械的なシステムのポテンシャルが急激に変化することをお分かりいただけるだろうか。

 

とまぁこのようなねちっこさで二重振り子が必須という展開になっていきます。日本のゴルフ理論(?)の場合「新発見」「独自の」というキーワードが優先されがちでその根拠となる過去の研究の出典が不明なものが少なくありませんが、SPSでは逆に信じがたいほどのまわりくどさで論理展開がなされていきます。

TGMの副読本としては良いのかも知れません。

ではセブ行ってきまーす!

今月のブライソン

久しぶりのデシャン坊ネタです。

今年のルール改正、特にピンは抜くのか抜かないのか論争の元になった「オレの研究では抜かない方が入る。まぁピンの材質にもよるんだけど」という発言をはじめとして、相変わらずの変態ぶりとねちっこさを発揮しているブライソン・デシャンボーですが

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http://www.zimbio.com/photos/Tiger+Woods/Bryson+DeChambeau

昨年はライダーカップの代表にも選出されたおかげでタイガー・ウッズをはじめとするビッグネームともお近づきになって、噂ではこの二人はタイプは全然違うけど結構仲が良くて(というかタイガーが結構デシャンボーを可愛がっていて)シーズンオフには一緒に練習ラウンドをしたりしているそうです。そんな二人が共に契約しているブリジストンのボールのCMの動画がこちら。

「ゴルファーがボールに求めるものは何か」という問題について「飛距離だ」とねちっこく説明を続けるデシャンボーに対して、タイガーが「理屈っぽいなぁコイツは」と言った態度で「直進性じゃね」と反論して、最終的に「ブリジストンの新しいe12というボールならどっちも両立できます」という仕立てになっております。

 

肝心のゴルフの成績も今シーズンはPGAとヨーロピアンツアーでそれぞれ一勝をあげておりますし、TOP20率が100%という安定感を見せておりましたが、先週のWGCメキシコではパットに苦しみまくって56位タイと今シーズンの最低の成績だったわけですが

そんななかこんなことがバレてしまいました。

 

二日目のラウンド終了後に練習グリーンでキャディからパターを受け取ったデシャンボーは何を思ったかいきなりパターをグリーンに叩きつけて即座に修復を開始します。たまたまその目の前で行っていたインタビューの後方に映り込んでしまったわけですが、当たり前ですが思い切り炎上します。そして即座に謝罪ツイートをします。

「ファンや運営のみなさんにココロから謝罪します。ボクは異常に情熱的なプレイヤーだからこういうこともあるけど、いつももっと良いプレイヤーになれるよう頑張っているよ!」という全然反省の感のない神謝罪コメントを 残しました。

 

そしてその翌日にバッバ・ワトソンのキャディがツイッターにのせた動画がこちら

 

ライトに翻訳するとこんな感じ。

 

キャディ「サイエンティフィック・サタデーのお時間です。今週はグリーンについて。どう思いますか?バッバ」

バッバ「いやこれはとても難しいです。今週のグリーンは特にグリーン上に着弾したボールの弾み方やパットでの転がり方が不規則なので、それを予測するのは非常に難しいのですが、やはりこういう時に必要なのはその...」

キャディ&バッバ「サイエンスですね!

バッバ「というわけであの人に聞いてみましょう。おい、ブライソン!質問だ」

バッバ「今週みたいな弾んだり転がったりが全然不規則なグリーンではどうやって傾向を予測すればいいんだ?科学的に説明してみろよ」

デシャンボー「ああ、えっとまず、こうパターを右手にこう真っ直ぐに持って」

バッバ「ふむふむ、オレの場合は左手だな」

デシャンボー「それからこう真っ直ぐに上腕二頭筋だけを使ってパターを振り上げる」

バッバ「ほうほう」

デシャンボー「そしてやはり真っ直ぐに上腕三頭筋だけを使ってパターのヘッドを地面に振り下ろす」

バッバ「なんと!」

デシャンボー「そしてその時にグリーンに出来た穴の大きさを見る」

バッバ「マジか!」

デシャンボー「出来ればその時に穴の深さを精密に測定できるといいんだ」

バッバ「以上です!」

 

みたいな内容なんですが、当然のごとく

「デシャンボーてめー全然反省してないだろ」

「これマジでコンパクションはかるワザなのかも」

「って言うかおまえこれ今までも全部のコースでやってただろ」

「こいつらマジでグリーンキーパーとか大会運営者へのリスペクトがゼロだな」

とか再炎上しているわけです。すごいのはこれが大会三日目のロッカールームの映像ということですね。

見方によってはバッバがデシャンボーを擁護するためにジョーク動画を作ってあげたのかもしれないんですけど、さすがに悪ノリ過ぎるのでデシャンボーに出場停止の制裁が科される可能性だってありますよね。まぁPGAもジョークと捉えると思うのでそこまではやらないでしょうけど。

で、デシャンボーがアカンのは間違いないんですけど、昨今ミケルソンがグリーン上で動いてるボールを打ってしまったり、ガルシアが大暴れして謝罪したりとこういう事件が頻繁に起きているわけです。

背景にあるのは昨今のコースセッティングの問題で、みんながみんな300yを軽く超えてドライブする時代になった今、もうグリーンおよびグリーン周りをサディスティックに難しくするしかない状況になっていて、それに対して「やり過ぎじゃね」「ライン読んでもムダすぎてアンフェアじゃね」「パッティングってただのガチャじゃね?バーディってレアカードじゃね?」「もうゴルフのゲーム性崩壊してね?」という選手の心理が働いていると思うのですね。

今回のバッバの動画にもそうした風刺的なニュアンスもちょっと含まれていると私は思います。

初日75を叩いたのちに真っ暗になるまでパター練を続けるデシャンボー君

 

まぁデシャンボーについては毎回プレーが遅すぎて、そうなると途中から時間を計る競技審判員が同行することになるんですが、それも毎回過ぎて「もう慣れているので何ら問題ない」みたいな発言して「いやだからおまえのプレーが遅いのが本質的な問題なんだよ」みたいに炎上して「いや初めてまわるコースがまだ多いからしょうがないんだよ」みたいな鋼鉄のメンタルの持ち主なので今回の事も全然堪えないと思いますが。

 

気になるのはやっぱりアメリカ人は優等生よりもこういう個性的なタイプの方を好みますし、顔もまぁ、アメリカ人的なイケメンの部類に入るようでして、炎上商法だけど結果もある程度残していて、なんだかんだ言ってスターになる階段を上っているかも知れないと言うことですね。友達にはなりたくないんですが。

第二章 ゴルファーは二重振り子である(その1)

あらかじめお断りしておきますが、こっから先はとってもTGMの第一章、第二章と内容が似ております。

そして恐縮なんですけど、本章では「ゴルフ=二重振り子」と言っております。このブログにはこれまでも「ゴルフ 二重振り子」というワード検索でお越しいただいた読者様が結構おられます。

でもSPSで意味するところはデシャンボーであれ笠りつ子であれモー・ノーマンであれ、程度の差はあれ「ゴルフスイングは二重振り子でありそれ以外はない」ということになります。

なので「二重振り子のゴルフスイング」という表現は、上記の等価式を代入しますと「ゴルフのゴルフスイング」となって何も言っていないのと同じになってしまいます。単なるグチです。

 

第二章 ゴルファーは二重振り子である

 

 貴殿にとって最適と思われるゴルフのスイングを発見しようとする場合、その着手にあたっては二つの方法がある。一つは時の最高のプレイヤー達のスイングを分析し、それらのスイングにおいて共通していることが何であるかを確認し、そうした要素から個々のスイングに必要と思われる側面を結集させて行く方法である。我々はこれを

「経験主義的メソッド」と呼ぶ。

 

 もちろん、これまでのところ、またおそらくこれからも、完全に完璧なスイングというものを達成した人物が存在するわけではない。もし誰かがそれを成し遂げているならば、少なくともグリーンに乗せるまではミスをしないゴルフが出来ると言うことになる。しかしゴルフがプレイをされてきた長い歴史のなかで、そして数多のスタイルが試行され、その時代の最も成功しているプレイヤー達によって推奨されて来たメソッドは、実現可能な最も有効なメソッドであるように思えるが、結局のところプレイヤー個々の異なる肉体や筋肉の構造、またその気質において完全に同一なスイングをもたらす結果には至っていない。

 

 「最も効率的なスイングおよびボールの打撃のメソッド群において、共通している要素は何なのか」という問いを投げかけたとき、その答えは少なくとも非常に効率的なスイングの骨格にはなり得るだろう。そして次に「それら共通の動作や筋肉の活動が、ゴルフにおいて有効であるのは何故なのか」という問いに進む事が出来る。

 

 しかしこの段階において「経験主義的」アプローチは苦境に立たされることになる。まず第一に、純粋に制限を設けない場合、このトライアンドエラーの手法は時間がかかりすぎる。また第二に、より大きな問題として、例えば上述の第二の質問に対する答えを用意できるためには、ゴルフスイングで発生している基本的なメカニクスや動作についてある程度の理解があることが必要となるため、それがない状態では「経験主義的」アプローチは現実的とは言えない。

 

これコンサル業界とかでよく聞く笑い話なんですけど、「企業の成功法則」を探すために、成功している企業の共通点をいろいろ洗い出していったら、

 

成功している全ての企業は自社ビルを所有しているという事実が判明した

→よって成功法則その1は『自社のビルを保有することだ』

 

という結論になっちゃったんだけど、いやそれって

 

成功している企業だから資産が蓄えられた

→よって自社ビルを購入できた

 

ってことじゃね?因果関係逆じゃね?

って失敗に陥らないようにしようねってことなんですが、そのためには大局的な視点や知識が必要ってのは多いに納得出来る部分です。

最近のゴルフ雑誌とかでも「地面反力」「地面を蹴って飛ばせ」とか地面地面うるさいんですけど、

 

ストロークのパワーが増えるとダウンストロークで下方面にかかる圧力も強くなる

→地面を強く蹴り返さないと立っていられない

 

ってだけだと思うんですけどね。上半身側のスイングのパワーない人が地面蹴っても空中に飛びあがるだけだと思うんですけどね。日本人は下半身ネタ大好きですね。

 

 研究のスピードを最大化し、また発生している要素群の基本的な効果やその必要性について理解するためには、純粋に革新的な科学的取り組みを必要とする。これを「原則論的」アプローチとしよう。

 

 人体は非常に複雑なマシーンであるために、プレイヤーがボールに向けてクラブを振るという動作をシンプルに比較検討するには、人類のゴルフのスイングは必要以上に複雑なものとなっている。より単純化して考えるために必要なことは、「良いゴルフスイングで必ず発生していなければならないもの」が何であるかを突き止める必要がある。ここでは前章でまとめられている実験の結果判明した事実群が役に立ってくる。

 

 次に行うべき事は、スイングにおける動作やレバレッジなどの効果のうち、プレイヤーが自分の意のままに行えるものについて詳細な観察を行う事である。

 

 これら二つのことを行う事によって、純粋に科学的な見地からの「理想的なゴルフスイング」のコンセプトを構築出来る事になる。

 

 この方法では人体を、いくつかの構造的な特徴や、パワーを発生させるための特定のレバレッジの機能を備えた「マシーン」として認識しているわけだが、これだけでは観測や実験によって判明した事実群を「スイングのための理論」として関連づけるには自由度が高すぎる。

 

 よって「経験主義的」「原則論的」の二つのアプローチのコンビネーションを用いること、すなわち二つのアプローチによって得られる結果を比較していくことが、最も早期に、また現実的な結果をもたらす研究プログラムの進行の手段と考えられる。これら二つの手法において相互に効果が確認できる場合、我々はゴルフスイングについての理解を二つの側面から理解していくことが可能となる。

 

 これがG.S.G.B.の科学者達が、理想的なゴルフスイングの科学的コンセプトを構築するための、研究行程の計画にあたっての基本的な出発点となっている。彼らの「原則論的」アプローチを進める上で、スイングにおいて必要な機能が何であるかをより詳細に研究すると、大まかには以下三つの事が必要であると結論づけられた。

 

スイングの原則論

良いゴルフスイングには以下三つが必須である。

 - スピード

 - 正確性

 - 再現性

 

しっかし科学者の書く文章ってみんなこんなに前提が長いんでしょうか。私高校時点で数学や物理、化学から完全に離脱してピュア文系人として現在に至りますのでよくわかりませんが。

長くなりましたのでこの辺までにします。

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https://www.mizuno.jp/golf/mizunopro/driver.aspx

画像は単に私が今欲しいと思っているミズノの新ドライバーのサイトからお借りしただけで本文の内容とは全く関係がございません。