第19章 ゴルフにおける「曲がる」ショット 不適切な箇所での打撃 (2)

オフセンターのストロークはパワーを浪費する

フェースの中心を外れて行われた打撃は、クラブヘッドを重心の周りに回転させる。これはボールがクラブフェースに当たった部分が、フェースのセンターで打撃をした場合よりも簡単に負けてしまうことになり、結果としてボール初速も落ちる。従い「薄い」当たりのドライブの場合、飛距離をロスするとともにボールの高さも低くなる。

19:4 ゴルファー視点から見たときの、「シャンク」のインパクト。ここまでフェースを外れるとシャフトの形状の影響でボールは右にすっ飛んでいく。

いっぽう、ロフトが寝ているクラブの場合、「薄い」当たりの方が正しくコンタクトをした場合よりも飛距離が出てしまうことがあることを知っているゴルファーもいるだろう。これはボールスピードの減少が、ボールが低くなる(飛んでしまう)ことと相殺されたか、クラブのエッジによってボールが適度につぶされたことで実際にボールスピードが獲得されてしまった場合であるが、いずれにせよボールは直線的になる。

19:5 ボールがクラブヘッド重心よりも下よりでインパクトされた状態。クラブフェースは下向きに回転するため、ボールの打ち出し角度は通常よりも低くなる。

同様に、ボールがクラブフェースの下ではなく、上の方で打撃された場合に、同等のエネルギーがどのように働くのかを想像することができるはずだ。結果としてショットは高くなり、より多くのバックスピン、そしてより少ないパワーを伴い。ボールの一部がクラブのトップフェースによって潰される可能性も高くなる。

「薄い」当たりによって得られる効果とは対照的に、トップエッジでボールを潰すようなショットの場合は、常により大きなエネルギーの損失が発生するが、これはボールが上がってしまい、打ち出し角度が増えることで飛距離をロスするからである。

実際にフェースの高い位置でボールが打撃されると、ボールにはわずかに「持ち上げられる」作用がはたらき、これがいわゆる「テンプラ」のショットの場合にインパクトが弱く感じられる理由であり、ボールが高く空中に打ち出されるのを見る前にその結果に気づくことさえある。

19:6 ドライバーショットにおける「薄い」インパクト。クラブヘッドの重心よりもフェースの下よりでインパクトしていることにより、ボールのコンプレッションが最大化されず、ボールの下の部分がわずかにエッジを包み込むようになっている。センターでの打撃よりも弾道が低く、パワーをロスした打撃になるが、アゲインストの状況、あるいはフェアウェイが硬い状態では飛距離をロスしないこともある。

19:7 ドライバーショットにおける「テンプラ」のインパクト。ボールがトップエッジを包み込むようになってしまい、ボールは高く空中に上がって飛距離は落ちる。

オフセンターの打撃がどのようにゲームに影響してきたかと、しばしばプレイヤーがそのことに気づいていないことを示す例として一つ言及すべきであろう。

とあるリンクスの、非常に硬い土壌に薄い芝のコースでは、あるゴルファーにとってはナイスショットと思ったものが、なぜいつもよりも低いボールになっているのかを不思議に思い、正しくインパクトできていないのではないかと疑ってしまう場合がある。ある意味これは事実なのである。

普段内陸部でプレイをしているゴルファーがリンクスでゴルフをするとボールが低くなる原因は、彼のスイングが芝の多いフェアウェイにアジャストされているからかもしれない。そのため、彼のいつも通りのスイングは、リンクスの薄い芝生ではいつもよりもクラブフェースの下に当たってしまうのである。

逆に、非常に芝の密度の濃いフェアウェイ、あるいはセミラフの良好なライから放たれたショットが高い弾道になる場合があるが、これは単純にクラブヘッドの重心部分寄りもわずかに高い位置のフェースでコンタクトを行った結果である。これら二つの特徴的なストロークがどのように発生するのかについて理解を深めることは、少なくともこれらを修正する、発生を防ぐ、あるいは許容可能な範囲におさめるということを目指す上で必要不可欠なことである。ではここで、ベアグラウンド、極めて薄い芝、あるいは芝の濃いターフからストロークを行う際に、ゴルファーが考慮しておかなければならない一つの要因について説明したい。

以下はもちろんピンをデッドに狙っている場合を想定しているものである。これまでに触れたように、フェースの高い位置でコンタクトされた場合はほとんどの場合で飛距離が落ちることがわかっているいっぽう、フェースの低いところでコンタクトされた、あるいは「薄い」当たりになった場合では、クラブがどのように操作されたか、あるいは打撃の精密な性格によって、飛距離は増えたり減ったりすることが起きる。大半の「トップした」当たりのアプローチは、強く飛び出してグリーンの反対側についてしまうものだが、グリーン周りの芝が長い場合にはグリーンの手前で止まってしまうこともある。予測不可能ないくつかの要因が複雑に重なり合うことで、偶然カップの6インチ手前に寄るということもあるだろう。

プレイヤーはあらゆるショットにおいて、ボールの置かれたライ、また着弾地点の状況やランの量を想定して、どの程度の強さでターゲットに対してボールを送り出せば良いかを予測するしかない。しかしライに少しでも異常が感じられる場合、賢明なプレイヤーはどのようなショットをどのクラブでプレイするかを、少なくとも部分的には発生しうるミスヒットの種類とその結果の可能性にもとづいて決定しなければならない。

ことここに至っては、最も重要な要因はプレイヤーの経験である。しかしクラブフェースの高い部分、あるいは低い部分でボールを打撃した際に発生する効果について理解をしておくことは、最善の決定を行うのに役に立つはずである。

ヒールにあたれば左に、トゥにあたれば右にフェースは回転する

フェースの下より、または上よりでボールが打撃された際に発生する事象は、フェースの左より、または右よりで打撃された際にも同様に適用される。この際の結果はプレイヤーにとってより明白なものとなって現れる可能性が高い。

クラブヘッドのヒールよりでボールが打撃された場合、フェースは左向きに回転し、結果ボールは左に打ち出される。同様にトゥよりで打撃をされた場合には右に打ち出されることになる。

いずれの場合においても、ボールの回転がどのような影響を受けるのか、またその結果ボールの飛球がどのような影響を受けるのかについて精密に検証を行っていくと、この問題のより本質的な事象にいきつく。

クラブフェースとボールがインパクトを迎えている間に、なぜスピンが与えられるのかについての技術的な詳細に触れることはまだ行わないが、取り急ぎ非技術的なことばで説明を行うことにする。もしボールがトゥ側でインパクトされ、その結果フェースが開く(右を向く)場合、ボールには右回転が与えられる。

これはボールの弾道としては、スライス(右に曲がっていく)の回転を与えていることになる。24章で述べている詳細から引用すれば、ゴルフの飛球におけるスピンの原則としては、空中を飛んでいるゴルフボールは常に、ボールの戦闘部分がスピンによって動いている方向に曲がる性質を持っている。つまり「鼻先を追いかける」ようになっている。

よって、少なくともアイアンに関して言えば、トゥよりで打撃されたボールは、意図したラインよりも右側に打ち出されるだけではなく、そこからさらに右にカーブしていく。反対に、ヒールよりで打撃されたボールは、左に打ち出され、さらに左に曲がっていくことになるが、もちろん「シャンク」のようにシャフトにかかるほどヒールよりで打撃された場合を除く。

しかしどちらのカーブ効果も、インパクトによって発生するフェースの回転から想像されるほど大きいものになるわけではない。ここでもう一つ、ボールがオフセンターでインパクトされた場合のクラブヘッドの挙動のメカニズムについて紹介しておかねばならないことがある。

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