さて来週からはSPSの本文に入っていこうと思いますが、その前にSPSの目次を見ながら、SPSの基本的な方針を確認しておきたいと思います。

ところで「SPS」って何だよ?という方はこちらの記事をご確認ください。

目次

 

セクション1 モデルゴルファーの発見

第一章 プレイヤーがボールを打つとき – 実際に何が起きているのか

第二章 ゴルファーは二重振り子

第三章 モデルゴルファー

セクション2 モデルが語ること

第四章 スイングのハブ(中心)

第五章 モデルにマッチするようにクラブヘッドをスイングするということ

第六章 モデルのバックスイングにおける基本的な動作

第七章 モデルのパターンにボディ全体をフィットさせること

第八章 ボールを貫通した左腕のフォワードスイング

セクション3 モデルにフィットするための右腕の要件

第九章 右腕はどのようにスイングを補強しているのか

第十章 二つの手のスイングにおけるタイミング

第十一章  右手 – リストロールとそのタイミング

第十二章  右手 – 感覚、コントロール、学習

セクション4 モデルのゴルフにおける人間サイドの要因

第十三章 ゴルフにおける筋肉の役割

第十四章 リズム、タイミング、バランス、スタンス

第十五章 リストアクション:構造とグリップ

第十六章 リストアクション:スクエア派とロール派

第十七章 スイングをプログラムする – ゴルフにおける精神的側面

第十八章 ティーチングと学び、練習

セクション5 プレイヤーとその問題

第十九章 ゴルフにおける歪んだショット – クラブの間違った部分での打撃

第二十章 ゴルフにおける歪んだショット – スライスおよびフックにおける実用なメカニクス

第二十一章 グリーン上における科学

セクション6 ボールが打撃されるときに起きていること

第二十二章 ゴルフにおける飛球 – ボールを貫通する動作

第二十三章 ゴルフにおける飛球 – どのようにスピンと方向性が決まるのか

第二十四章 ゴルフにおける飛球 – スピン、リフト、ドラッグ

第二十五章 ゴルフにおける飛球 – プレイに理論を活用する

第二十六章 どんなボールがどのように飛ぶのか

セクション7 トーナメントの分析

第二十七章 トーナメントの分析 – 何が難しいのか

第二十八章 トーナメントの分析:ドライビング – どのくらい飛ぶのか

第二十九章 トーナメントの分析:パッティング

第三十章 トーナメントの分析:ショートアプローチ

第三十一章 トーナメントの分析:ロングアプローチ – トーナメントの勝敗を分けるもの

セクション8 より広範な研究の側面

第三十二章 クラブデザインの可能性

第三十三章 クラブフィッティングにおける疑問

第三十四章 研究結果の比較検討

第三十五章 未来に向けて

付録1 数学志向の読者に向けた、いくつかの公式について

付録2 より遠く、真っ直ぐにショットをするためのデバイス

付録3 G.S.G.B.のリサーチプロジェクトのストーリー

とまぁこんな感じです。

SPSではまず、当時のプロゴルファーの協力を得て、数十人のプロがどのような動作を行っているかを項目を決めて測定を行い、そこに共通する動作群を切り取って「モデルゴルファー」というものを設定しています。

その上でスイングのメカニズムや、人間サイド、道具サイドでどのような現象が起きているのかを詳細に研究しています。

この「とりあえず現実に何が起きているのか」を正とする考え方って多分わりと欧米のリサーチプロジェクトでは普通の考え方なのではないかと思います。

GEARSのマイケル・ネフも

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約三十人のプロのデータの平均値だけでスイングするモデルをまず作って、被験者とそのモデルのどこに大きな乖離が発生しているのかを確認するところからスイングの分析を始めます。GEARSの特徴はSPSの時代とは違ってセンサーの突いたボディスーツとクラブを数回振るだけで恐ろしい数の項目のデータが収集出来てなおかつそれをアバターで視覚的に確認出来るという事ですが、基本的な考え方は一緒です。

このブログでも紹介しているように、今後日本だけではなく世界中のプロがシーズンオフには自分のスイングをGEARSで計測して分析していくでしょうから、この「基本的」なスイングの精度は今後ますます向上するでしょう。

大事なことは、全て「基本」に忠実であることが必要なのではなくて、個人の志向や狙いのもとであえて「違う」ことをするのであればそれも本人にとっては合理的であり得ると言うことです。こうした科学的な事がおそらく最も大好きなデシャンボーが一見「異質」に見えるスイングをしているわけですから、基本を理解したうえで本人の感性にマッチするスイングを作るというのが理想であると思われます。

でこうした主張をクソ難解に書いてくれているのがTGMの以下の章です。

つまり「これが基本です」という主張をするのであれば、ある程度統計的なデータのもと、整合性が確認されていることが「理論」や「仮説」としては重要です。いきなりB型はおおざっぱでKYな性格の人が多いというやや強引な分類は、日本人はわりと好きですが海外ではあまり正当な主張として受け入れられません。

そしてその強引な定義や分類によって「理論(?)」が氾濫して何が基本かがわからなくなっている状態をどうにかしたいというのがTGMに続くSPS翻訳プロジェクトの目的であると言えます。

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