先週は金・土と長岡の

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(C)ALBA

森美穂選手の懇意のLPGAレギュラーツアー初戦となった「ヨネックスレディスオープン」の観戦に行っておりました。

残念ながら森美穂選手は予選落ちとなってしまいましたが、少しずつ勝負感を取り戻して来ているように感じましたので、次の試合では是非頑張って欲しいものです。

ビックリしたのはヨネックスの契約選手で主催者推薦で出場したキム・ヒョージュ選手なんですが

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「優勝したら即日本ツアー出ます」宣言で、現在主戦場のUSLPGAの規定で日本のQTが受けられないとのことで、日本での出場権を得るには優勝して2年シードを取るしかないのですが、やっぱ日本ツアーの存在感というか人気は年々上昇傾向なのではないかと思います。女子に関しては賞金もアメリカとそんなに変わらないですし。

最近はケガの影響もあって以前ほどのパフォーマンスには戻っていないようですが、この選手のスイングはマジで「素振り」そのものです。全く力感やインパクト感を感じません。初日森美穂選手の組がスタート早かったので終わった後に原英莉花選手、上田桃子選手と同組でまわるキム選手見てましたが、ほんと素振りしたところにボールあったから飛んでったみたいなゴルフです。ものすごく草食系なゴルフです(上田選手や原選手が肉食っぽいということではありませんよ念のため)。そしてパットがムチャクチャうまいです。残念ながら二位タイで日本ツアー参戦は叶いませんでしたが。今回本文にも書いてあるんですが、こういうリズムのスイングって本当に美しくかつ機能的でもあります。

ではそんなまだるっこしいSPSの本文です。本日より新章です。

 

第七章 ボディ全体をモデルのパターンにフィットさせるということ

 ここでは、ボールの打撃を通じたゴルファーのスイングにおいて、どうすればモデルのアクションを最もよく再現できるのかについて考えてみることにする。

 

 まずモデルそれ自体がどのように機能しているのかを考えて見る場合、その動作が実際のゴルファーのそれよりも遥かにシンプルな構造であることを理解しているとは言え、ゴルファーが物理的に可能な限り遠く、真っ直ぐにボールを打撃しようとする際、その動作の基本的なメカニズムに関して良く理解していなければならない点がいくつかある。

 7:1の図は、モデルの典型的なスイングを、トップオブバックスイングからインパクトのわずかに後の時点までの動作のシーケンス(順番)を表したものである。

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7:1 「良いタイミング」のモデルのシーケンス

 これら動作のシーケンスのタイミングは、上方のレバーを中心のピボットの周りで動かす際に活用される作用、また下方のレバーを、上方のレバーの末端に位置するヒンジの周りで動かす際の作用の、サイズおよびパターンによって変化する。

 

 例えば、中心のピボットの周りで上方のレバーを非常にパワフルかつ急激に加速させるような扱い方をするとともに、下方のレバーには何の作用も加えない(前述したように、ジャックナイフ状態を避けるために90°以上曲がることのないよう止める動作を除く)ようにした場合、この動作は7:2のような状態を誘発する。

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7:2 「悪いタイミング」のシーケンス。上方のレバーにパワフルな加速が発生している一方、二つのレバーの中央のヒンジにおけるアクションが過少である。

 

 あるいは、上方のレバーに加える作用を少なくして、二つのレバーの中間のヒンジの周りで下方のレバーが急激に加速するような作用を加えた場合、7:3のような状態を誘発する。

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7:3 もう一つの「悪いタイミング」のシーケンス。ヒンジ周辺のアクションが過多かつ尚早である。
 

 これら二つの動作は、いずれもモデルが達成しうる最大のクラブヘッドスピードに達するには著しく非効率であるとともに、人間のゴルファーにとっては不自然かつぎこちない動作を発生させる。

  しかしながら、これら二つの例は強調こそされているものの、現実には世界中のあらゆるコースで、数え切れないほどのゴルファーによって実践されている現象である。このことについては第十九章でまた触れるが、ここではモデルのロジックについてのみ理解をされたい。

7:3についてはアーリーリリースとかスコッピングとかボールハッキングとかいろんな名称が存在するんですが、7:2ってこれいつも思うんですけど、こんなミスしてる人あんまりいないと思うのですね。あるとすれば右肩や右ヒップが早期にせり出してきて両手の通り道がなくなって両手が前の方にせり出してハンドアップ的になってヘッドが出てこないというパターンだと思うのですが、 それは各レバー動作のシーケンスのタイミングの問題よりも単純にオフプレーンになっていることが原因ではないかと思います。二重振り子の構造を普通に考えると、重力と遠心力に逆らってヘッドを振り出さないことの方が難しいはずだと思うのですね。

モデルの自然なシーケンス 

 モデルにおける自然な動作のシーケンスというのは、おおまかに言えば上記の二つの極端な例の中間になる。我々が言うところの「自然な」シーケンスというのが実際にはどの程度のものであるのかについての哲学的議論に入り込む事はしたくない。ここでは単に、再現性が高く、急激な作用の変化を伴わない、多くの人にとって容易な活用が可能である動作のことを「自然な」シーケンスを採用しているものと認識することにしよう。

 例えば、モデルのスイングが中心のピボットから重力のみよって上方のレバーが動かされ、下方のレバーは単に上方のレバーに追従しているだけというような状態を最も「自然」なシーケンスとして認識するかもしれない。

 連続写真からもわかるとおり、小さなモデルは現実にこのような構造で機能しているのであり、実際にこの動作が行われることで見た目にも良いスイングとして認識されるのである。さらにこの中心を伴うピボットに何らかの独立したパワーを加えるとしてもこの構造が持つ本質的な構造に変化はない。どのような形であれ、このような構造を残しているタイプのスイングを我々は「自然な」スイングとして認識し、これは純粋に機械的な見地から考えてもモデルの構造や動作として同様の事が言えるのである。

 このようなスイングはまた、人間のゴルファーにとっても「カッコいい」スイングに見えるのであり、多くのゴルファーにとって目指したい姿となる。これは我々の本能の良い部分であり、実際にゴルフをプレーする際においてもよい結果を再現することに役立つのである。

これが今回キム・ヒョージュはん見て思ったことですわ。

 

最大のパワーを発生させる「自然な」シーケンス

 この働きを科学的に検証する際、実際にモデルを構築し、そのモデルに様々な作用を加えて結果を検証することが必要となる。しかし全く同様の事を、より簡単に、また遥かに早く、包括的に行う事が、コンピューターに全ての要素を与えて計算を行うことで出来るのであり、従い必要な実験の全てを数学的な見地で行う事が出来る。この方法では、あらゆる種類のモデルの動作を、影響を及ぼす可能性のある全ての作用を考慮した上で検証が可能なのである。

 我々チームはこれを行った。この結果わかったことは、あらゆる検証の結果を考慮しても、結局のところ最も自然に見える動作こそが最もクラブヘッドの動作のパワーを最大化出来ると言うことであった。

 より正確な言い方をすれば、下方のレバーの先端が可能な限り速いスピードで動く事で最大限のパワーを発生させる際、最も効率的な動作においては一般に以下によって達成されると言うことがわかったのである。

  • 上方のレバーを、中心を伴うピボットの周りでスムースかつ強く動かす事
  • 下方のレバーにパワーを与えるのは、スイング動作によって下方のレバーが自然に外側に振り出されるステージにおいてのみであり、それはモデルが重力によってのみ動作する際に発生している事

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7:4 最も単純な2レバーモデルの例。このモデルでは上方に完全に自由に可動するヒンジを用いているが、ダウンスイングは重力のみで動いている。しかしほぼ完全にゴルフスイングの本質を再現している。ここでクラブヘッドのスピードが慣性によって増していくのにつれて両腕の速度が減少していくことに注目して欲しい。両手はインパクトにかけて止まろうとするほどになる(両手は最後の2コマではほとんど動いていない)。

7:2や7:3のようなスムースではない、不自然な動作のシーケンスでは、その非効率性は人間のゴルファーの場合にさらに増幅されることとなり、本能的に上記の原則から「外れている」という認識を発生させる。最終的な「クラブヘッド」のスピードは、そこにおいて発生しておいる修正の試み、また「クラブヘッド」の位置にエラーが発生している割合が大きいほど低下するのである。

この主張が正しいとするとTGMで言うところの「スインガー」がパワーの面では最も効率的と言っていることになると思います。上の二つの条件の特に二つ目の条件はオートマチックリリースのことを指しているからですね。次回に続きます。

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