すっかり記事の更新が空いてしまいました。

三月末はジャパンゴルフフェアに、「ゴルフをする機械」を出店したり

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PCMの在庫を売るのだと思っていたのですけどまさか刷って販売とは思っていなくて在庫がないというお粗末な展開でしたがお買い上げ頂いた皆様ありがとうございました。

本業が春休みは何かと忙しくってさらにはラウンドも重なったりしてムチャクチャ忙しくってどうにもなりませんでした。JGFではいろんな方ともご挨拶が出来てそのからみでまた新しい企画が持ち上がりそうなのですがそんなヒマあるんでしょうか。まぁいつか死ぬまで頑張って生きようと思います。

また以前GEARSがらみで紹介した

 
 
 
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河本 結 / Yui Kawamotoさん(@kawamotoyui0829)がシェアした投稿 -

河本結選手が先日ぶっちぎりでツアー初優勝を遂げたりしましたが、やはりうれしかったのは 

ルーク師匠の復帰ですね。さすがに優勝とはなりませんでしたが四日間上位でプレー出来て一時優勝争いにも絡んだことはケガの回復も順調なのだと思います。

では例のまだるっこしいやつの続きです。

 

モデルの有効性

 科学におけるモデルとは、非常に複雑なもの、あるいは理解が難しいものについてそれらを単純化することによって理解がしやすいものにしている構造物を言う。科学者達はこうしたモデルを木、金属、プラスティックなどで製作し、それらがどのように機能するのかを実験によってつきとめようとする。あるいは、よくある例として、科学者は単にこのモデルを数学的に表現することで。目的とする仮説の実証をペーパー上のみで行う事もある。

 

  どのような方法をとるにせよ、あるいは科学者がどのようなことをそこから学ぼうとしているにせよ、モデルというものは外部から観測可能な結果、またその影響を正当に把握出来るものであることがまず必要である。また、検証の目的に沿って観測されているモデルのパーツ群が、実際にどのような機能をはたしているかが確認出来ることも重要である。もしそれが実証出来ないのであれば、実際のシステムにおいてもそのパーツによる効果が認められるとは言いがたく、理想的には上記の関係性が強固であるほど良い。このようにして、科学者がそのシステムから学ぼうとしていることを助けるものでなければ、モデルとはその効果や現実のシステムにおける有効性を実証するものとはならないのである。

 よってリトマス試験紙のように明確な判定が得られるモデルほど、実験を繰り返すのに有効なモデルであると言うことが出来る。

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2:4 我々がゴルフスイングを理解するためにモデルが必要な理由。二つの図はゴルフのスイング中に多様な機械を使用して計測できる項目を表しているが、上の図では様々な筋肉がどのような出力で作動しているか、またその時クラブシャフトやクラブヘッド、あるいは両脚がどのようにエネルギーを発生させているかを表している。しかしあまりにも詳細すぎる情報は本当に重要な基本的な原則を理解するのに適さない場合がある。このような場合、我々は複雑な実際のゴルファーを、単純な下の図のようなモデルに置き換えることで、多数の筋肉の動作の結果として現れる作用を単純な構図に集約することが出来る。このような単純な作用を活用することで、我々は良いゴルファーのスイングを再現することにモデルを使用することが可能になる。

これ見て「ああGEARだなー」と思うのは、GEARSではもう遥かにお手軽にいろんな事が計測できるんですが、その中で何が重要な情報なのかを判別するメソッドがすごく重要になると思うのですね。健康診断で「血糖値が1ヶ月ですごく上がった」としたときに、何かの病気を疑うのか、そのために別の検査をするのか、お医者さんのセンス(とかその蓄積による診断の方法)ってすっごく重要度が増していくと思うのですね。

 

 しかしながらモデルは完全にオリジナルなものである必要はない。例えば電子回路はしばしばモデルとして使用され、機械的なシステムの「アナログな」部分を再現している。モデルは単純であればあるほどよい。そうではない場合、つまり複雑なシステムは膨大な数のバリエーションや例外を考慮しなければならなくなり、それは混乱のもととなる。この単純性を求めるという理由のために、科学者はそのモデルがオリジナルのシステムが有する全ての特徴を有するといった事を期待しないばかりか、しばしば組み替え、あるいは代替を行う事すらあるのである。

 

 原子を恒星系のように表現するモデルは、これらのポイントを良く抑えた好事例である。このような表現では、惑星としての電子が、恒星である原子核の周りを周回している様子を容易に想像することが出来る。今日、実際には原子の構造はこのように恒星系を縮小したような単純なものではないことがわかっている。しかしながら、最初にこのようなモデルを考案したことによってその後の詳細な観測が進むきっかけとなったのであり、原子について今日理解されていることが判明してきたのであり、さらにその後実証された様々な仮説を生み出し、原子から発生する放射性物質の存在までも解明するきっかけとなったのである。このように、実際の原子核と電子の関係を、よく知られておりかつ単純な恒星と惑星の運動というモデルに置き換えることから様々な仮説およびそれを実証するための実験が生み出されて来たのである。結果としては、そうして進んだ精密な観測の結果、恒星系のような単純な関係性では説明出来ない事柄が多く見つかったために、その後の研究でそれらを説明し得るより詳細な数学的モデルに置き換えられていったとは言え、このモデルは当初非常に大きな役割を果たしたのである。

 

 ただし我々の「ゴルファーのモデル」について言えば、現段階ではかなり信頼のおけるモデルであると言って良いだろう。よって我々が研究を続けるにつれ、それはより大きな拡がりを見せることになると期待しているのである。

 

「暴力的なもの」の正体

 現在においてやっと、人体がそのゴルフスイングにおいて四馬力ものパワーを発生させると言うことについて、圧程度満足にいく説明を共有出来ているように思える。しかしその研究の当初、ゴルフにあまり親しみを持っていない研究メンバーにとってそれはかなりの困惑を与える事実であった。彼の力学に関する研究からすれば、ゴルファーがもしそのようなパワーでボールを打撃しているとすれば、そこには相当の「暴力的なもの」が内在しているとしか考えられなかった。そのような先入観を持った上で、そのメンバーが初めて実際のプロゴルファーがスムースに、優雅にボールを打撃しつつも予想されていたパワーを出力しているのを目撃したとき、彼は驚きを隠せなかった。

 モデルが正しく作動し、スイングが適切なタイミングで行われていくことで最大のエネルギーが瞬間的にクラブヘッドに伝達される様は、科学者ではありながらもゴルファーではない人々の想像をはるかに超えるよう事が「なぜ」起きているのかを説明するための長い旅の始まりだったのである。

 

ファーストステップ:モデルのテスト

 モデルを構築し実際ゴルフスイングの分析を行っていく。「原則的」あるいは「経験主義的」アプローチのいずれかを用いるにせよ、実際にはそれはさまざまなメンバーとの分業で成り立つものであった。しかしこの事は決して読者を混乱させるものではなく、本章で説明してきたように、モデルはやがて純粋なメカニクスの検証からステップアップし、プロゴルファーの手法を分析したことによって我々チームが突き止めたスイングにおける様々な事実とどのようにフィットしているかがテストされる段階になったのである。

 

とまぁこれでやっと第二章終わりなんですが、この本三十章以上あるんでこのペースで行くと二年以上かかる計算になりますね。たぶんいろんなプロジェクトの進行考えるとそこまで詳細にやっていられないのでちょっとダイジェスト訳にするかも知れません。論旨がわかるレベルで。

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